当たり前のことを価値に替える方法
台風21号、北海道での大地震と、災害が続いていますね。
みなさんのご無事と、早い復興を祈るばかりです。
さて、ここ最近「難しい専門書」に飽き飽きして、とーってもライトなビジネス書を何冊か読んでいました。
難しい経営学の専門書とは正反対のライトな語り口で、数時間で読み切ってしまうことができます。
ライトなビジネス書には、既に知っていることや、「それってどうかな」と疑わしくなるようなことが書いてあることもあります。
だけど、参考になるんです。
しかも、大いに。
それは何かと言うと「伝え方」です。
みんな専門書を読めばいいのに、読まないのはナゼか?
ライトなビジネス書では、基本的に情報量が少なく、しかも場合によっては「考えが偏った知識」が含まれていることもあります。
まっとうなビジネスに関する知識を詳しく知りたいのであれば、みんな経営学の専門書を読めばいいのです。

たとえばこんな本です
でも、多くの人は読みませんね。
なぜですか。
そうです。難しいからですね。
ワシも仕事がら、むずかしい経営学の本を読むことがありますが、ホント理解するのに時間がかかり、早く次の「たのしい」本を読み始めたくなります。
情報量も多く、一般的にはまっとうなことが詳しく載っている専門書ではなく、多くの人が「ライトなビジネス書」を読む理由は、ここにあります。
「読みやすさ」です。
情報量は1/20だけど価格は1/2。でも、売れる。
先日のオンライン相談会でのできごとです。
あるご相談者がワシの持っている「商品開発」に関する本を見て、「それ読んでみます」とメモしていました。
だけどワシは「あ、ちょっとまって」ってストップをかけました。
その本は、表紙はライトなビジネス書のイメージで、ページ数も一般的なビジネス書と同じく200ページ前後だったのですが、かなり内容が専門的だったのです。
そこで、別の本をオススメしました。
その本がコレです。
ひょっとしたら、内容は「どこかで聞いたことばかり」かもしれません。
でも、本当に大事なことがわかりやすく書かれているのです。
情報量は、専門書から比べたら、1/20以下です。
専門書であれば、数ページで解説されているような内容を、1冊ぶんの文字数で解説しているのですからね。
価格は、専門書の1/2くらいです。
「価格あたりの情報量」で考えると、損なのです。
だけど、おそらく売れている本って、このような本なのでしょうね。
「わかりやすく解説する」ために、一冊分の文字数を割いているわけです。
つまり、これらのライトなビジネス書を買う人は、「損だけど買う」のではなくて「わかりやすい」ということに価値を認めているから、その部分にお金を払って買っているんですね。
当たり前のことに価値を与えるカギは「わかりやすさ」
てことは、ですよ。
その分野についてちょっと勉強した人であれば知っているような「当たり前の知識」でも、「わかりやすく説明する」ことによって、それは価値になるってことです。
つまり「売れる」ってことです。
「そんなの簡単じゃないか」って思いますか?
実は「カンタンに説明する」って、コトバで言うほど、カンタンではありませんよ。
知識が豊富な人であればあるほど、その分野の経験が長い人ほど、「カンタンに説明すること」が難しくなってきます。
自分ではカンタンに説明しているつもりのことが、聴いている人にとってはカンタンではない、というギャップが生まれるからです。
そのギャップを埋めるために有効なのが、「自分の専門分野の超入門書を読んでみる」ことです。
自分の専門分野ではなくても「よく知っている分野」でもいいでしょう。
自分が既に知っていることを、超入門書ではどのように説明しているのか。
どの部分を省略しているのか(これとても大事です)。
自分の説明がカンタンなのかどうか、客観的に判断することは難しいです。
いちど人に訊いてもらって「私の説明、わかりやすい?」って尋ねてみるのもいいかもしれませんね。