「見積もり型」の仕事を、売りやすくするには
今日は「見積もり型」の仕事をしている人の「サービスの見せ方」のお話しです。
2016年の記事ですが、反響をいただいた記事ですので再掲します。
ライターさん、翻訳家さん、デザイナーさん、リフォーム屋さん、設計士さんなどの仕事は、「見積もり形式」であることが多いですね。
でもお客さんにとって「いくらなのか見当もつかない」という状態は、不安なモノです。
イマドキ少なくなりましたが、「時価」のお寿司屋さんに入ったら、ビビるでしょう?
ヒントは「エアコン標準取り付け価格」
2016年の6月。大型家電店でエアコン買ってきました。

当時の写真っす
お店に入って5分。店員さんをつかまえて「コレください」とスピード即決です。
シロウトがエアコンを取り付けるのは難しいから、とうぜん「取り付け」もお願いしました。
家電屋さんでは「標準取り付け価格」というものがあります。
ところがコレ、施工する側から見ると、「どんな条件でもこの価格で取りつけます」とは言えないんですよね。
「壁にエアコン用の穴が開いているか」
「壁にエアコン用のコンセントがあるか」
「エアコン用の穴から室外機の設置場所までの距離」
「以前使っていたエアコンの取り外しの有無」
によって、作業員さんの「手間」が異なります。
つまり、この仕事って、そもそも「見積もり型」の仕事なんですね。
でも「取り付けはお見積で」と表示してしまうと「時価の寿司屋」と同じように、お客さんは怖くてエアコンを買うことができなくなってしまいます。
そこで「標準取り付け価格」というものを用意するわけです。
実はこの「標準取り付け価格」に相当するものは「時価の寿司屋」にもあります。
それは…
あなたのサービスを「桶寿司」にする
それは「桶寿司」。

しばらく「回らない寿司」食ってないなぁ~
つまり「松・竹・梅」とか「並・上・特上」というヤツですね。
個々の寿司ネタは時価でも、この桶寿司は「定価」であることがほとんどです。
大将にオマカセして、その時々のネタを組み合わせて、いつも同一料金で提供してくれるわけです。
これって「大将オマカセによる【標準寿司価格】」ってことですね!
こうゆうメニューがないと、お客さんは怖いですもんね。
見積もり型の仕事は「パック化」
「エアコン標準取り付け価格」と「桶寿司」の共通点。
それは「こちらで標準的な条件を決めて、あらかじめ決めた価格を表示する」ということです。
- エアコンの穴はついている場合
- ホースの長さは4mまでの場合
- 室外機は壁掛けではなくて床置きの場合
など、こちらで条件を決めて「この条件なら15,000円ですよ」と表示してあげることです。
これを示しておけば、条件から外れる人であっても
「ウチの場合、取り外しがあるから、プラスいくらか、追加費用がかかるわけだな」
などと、お客さんも「おおよその価格」がわかるようになります。
こうすれば、安心してエアコンを買うこともできますし、すし屋さんに入ることも出来ますね。
「桶寿司」も「大将にオマカセのネタで、10カンで並は1,000円」と、提供側で条件を決めているわけですね。
大事なのは、こちらで決める条件を「標準的なモノ」にすることです。
たとえば「エアコンのホースは1.5mまで」とすると、ほとんどの人が「エアコン標準取り付け価格」で買うことができなくなってしまいますからね。
見積もり型のお仕事の場合、ホームページに「詳しくはお問合せ下さい」と書いてあることが多いです。
でもこれは寿司屋さんが「価格はお店に入ってお尋ねください」と言っているようなモノです。
どれだけお客さんにとって抵抗感があるか、想像してみてください。
「見積もりだから表示できない」とすぐに決めつけてしまうと、それは思考停止です。
見積もり型のお仕事の場合は「エアコン標準取り付け価格」と「桶寿司」を参考にしましょう。
サービス業でも「商品のつくり」って大事だってことですね!
さらに詳しい事例や、体系的に学びたい方は、ぜひこちらにお越しくださいな~。