あなたの言うことが正しいから売れるのでしょうか?
ビジネス書から離れて、ひさしぶりに小説にハマりました。
年末年始が近づくと、なぜか小説に惹かれるのです。
司馬遼太郎著「歳月」。
幕末から明治にかけて日本の初期の法律や警察組織をつくりあげた、江藤新平(えとうしんぺい)の物語です。
この江藤新平という人物、まもなく放映を終えるNHKの大河ドラマ「西郷どん」に少しだけ登場していて、「どんな人物なんだろう」と気になったので、読んでみたんです。
SNSで、これが江藤新平を主人公にした小説であることを紹介したところ。
同じように「西郷どん」を見て江藤新平という人物が気になっていた、という人たちからコメントを頂きました。
自分が気になったことって、「気になる」と発信してみると、仲間がみつかるものですね(笑
正しければ、話しを聴いてもらえるのか?
この江藤新平という人物、やたらと頭がイイのです。
食うや食わずの生活から、たった5年で、いまの「法務大臣」にあたる職まで駆け上がります。
なのに、けっきょくはむごい最期をとげます。
ゼロから国の法律を整備するくらいの人物ですから、そうとうに論理的で頭がイイんですよね。
だけど「自分は正しいことを言っているから、皆もそうすべきなのだ」という考えが強すぎるんです。
正しいことを言っているのだから、自分が言っていることを聴け。聴かないやつはバカなのだという考え方ですね。
起業家の中にも、このような考え方を持っている人が多いです。
自分が正統派であるという高い自負心を持っている人ほど、
「正しいのだから聴くべきだ」「相手は間違っている」
という考えを持ってしまいがちです。
この小説の中で、とても大事な指摘がされています。
- 世の中を動かすものは、少数の賢者よりも多数のバカである
- バカを理解することなしに人間というものを理解することはできない
まぁ「バカ」という言いかたに語弊がありますが^^;
つまり「正しい」という自覚を持っている人は「まちがっている」人の言うことに耳を傾けない、ってことですね。
コレが理解できなかったために、江藤新平という人は「正しいことを言っているのに」無残な死にかたをすることになってしまうわけです。
正しければ支持されるわけではない。
商売に置き換えれば
正しければ買ってもらえるわけではない、ってことです。
なんなら、あなたから見たところの「まちがっているもの」のほうが売れていたりするわけです。
こんなことを言うと「まちがったものを売れというのか!」という意見が飛んできそうですが、そんなことは言っていませんからね。
正しいかどうかと、売れるかどうかは、関係ない、ってことです。
人間を理解することなしに、売れることはありませんよ。ってことです。
商売って、人間学なんですねぇ。
これまで「正しいことをしながら、残念な結果に終わった人」って、かず限りなくいると思います。
「正しいことをしていれば、きっと誰かが見ていてくれる人がいる」
というのは、間違っていないとは思います。
だけどこれも、売れるかどうかとは、また別の話ですね。
正しくて、しかも売れれば、いちばんよいわけですから。
それには「人のきもち」を理解してくのが、いちばん速いと思います。
ワタシは正しいハズなのに売れない!どうしてだ!
って思うアナタ。
年内最後の「オンライン相談会」を用意しましたんで、こちらへどうぞ(笑
この記事を書いた人

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名古屋で活動するスモールビジネスコンサルタント。
「40代主婦起業1年目」のかたを中心に、個人ビジネス、フリーランスの起業や売上アップのご相談に応じているほか、公的機関などからご依頼をいただいて小規模事業者向けのセミナー講師としても活動中。
個人ビジネス起業塾「ワシ塾」を開催。主婦起業家や脱サラ起業の支援しています。
1965年名古屋市生まれ、名古屋育ち。システムエンジニアを9年、デザインスクール講師を4年経験後に、フリーランスや個人起業向けコンサルタントとして独立。
低コストで売り上げを上げる手法が好評。(財)岐阜県産業経済振興センター登録アドバイザー、 (財)あいち産業振興機構登録アドバイザー
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