同じ場にいても学べる人と学べない人
人からおススメいただいた、こちらの本を読み進めています。
何やらデカくて小難しい本です。
この手の本って、たいてい読んでてつまらないのですが、今回は珍しく没頭してます。
まだ途中だけどね。
「起業」ということで、起業している人の支援をしているワシにとって役立つかと思ったわけです。
ただちょっと、アテが外れた部分がありました。
日本の起業のほとんどは「すでにある事業」でスタートする
それは、「起業」といっても、タクシー配車アプリのUberだとか、レンタルスペースのマッチングアプリのように、「今までの価値観を破壊するような起業」について述べている点です。
つまり「これまでになかったサービス」で起業しようとしている人のための本、ってことですね。
全国が対象で、「大きく成長することを最初から狙っているような起業」が、この本の対象です。
じっさいに全国でセミナーをさせていただいていてお目にかかる人たちは「既に存在している事業」で起業しようとしている人がほとんどです。
「ドライフラワーの教室を開きたい」
「パン屋さんを開きたい」
「デザイナーとして独立したい」
どれも「すでに存在している事業」ですね。
どちらがイイというお話しをしたいのではありません。
この本が話題にしている内容と、実際に日本で起業しようとしている多くの人たちの課題が、少し違う、と言いたいのです。
問題はここからです。
ではこの本は、役に立たないのか、ってことです。
自分とまったく同じケースは存在しない
セミナーでも「事例」を多く紹介します。
だけどそれぞれの事例は、セミナー参加者の人が置かれている立場とは、必ずしも一致しませんよね。
「だから役に立たないのか」というと、そうではありません。
自分とまったく同じケースというモノは存在しないわけです。
本でも同じ。
つまり書いてあることの中から、どれだけ「自分ごと」として課題を抽出できるか、ということなんですね。
今回挙げたこの本でも、対象が「新規性の高い事業」であり、ワシが思っていた「すでに存在する事業での起業」とはちょっと違っていました。
だけど「事業の選択のしかた」だとか「立ち上げかた」については、大いに参考になります。
大事なのは、どれだけ「自分ごと」に引き寄せて話題に触れることができるか。です。
セミナーのテーマが、自分がちょうど困っていることだったとしたら、とっても吸収できますよね。
それは話題が「自分ごと」だからです。
業界が違うから参考にならない。
あの人だからできたんだ。
規模が違う。
大きな会社の話だからウチにはムリ。
この手の「だから参考にならない」という話は、実によく聞きます。
だとしたら「自分とまったく同じケース」しか、参考にならないってことになります。
それはあり得ませんよね。
「参考にする気なんて無いんでしょ?」って言いたくなります(笑
難しい言い方をすれば「抽象化力」が大事なってきます。
「事業を営む」という意味ではほとんどの事例が同じですから、何かしら役立つエピソードが含まれていることがほとんどなのです。
セミナーでも本でも「自分ごと」に引き寄せてみてください。
吸収力の高い人は、この点が優れていると思うんですよね。