商品やサービスの前に、お客さんから支持されるべきこと
あるかたからいただいた投稿へのコメントがきっかけになって、数日前から気になっていることがあります。
「人から支持される」ということについて、です。
「人から支持されるとは、どういうことだろう?」
支持されることの意義だとか、その理由だとか。
だって、世の中には「支持されていなくても売れているもの」ってありますもんね。
そんな中で、別の投稿で
「ブログには役立つこと以外、書かなくてもいい」
「ブログには仕事関連のこと以外、書かなくてもいい」
という内容の発信を見かけたので、それまで考えていた「支持されるということ」と何か関連があるように感じたので、このブログ記事を書くことにしました。
このページの内容
「支持されなくても売れる」とはどういう状態か
世の中には、支持されていなくても売れているモノがありますね。
これらには、どういった特徴があるでしょうか。
たとえば、戦後の物資が不足していた時代や、戦後の「その製品でなくては要求が満たされない」という商品の場合。
たとえば、圧倒的に安い、圧倒的に性能差があるような場合。
これは提供者(販売者/売り手)がお客さんから支持を得られていなかったとしても、売れる可能性が高いです。
どういうことかというと
気に入っているかどうかに関係なく、それを買わざるを得ない
ということです。
「買わざるを得ない」という言葉にどこか「しかたない」というニュアンスが含まれているような気がしませんか。
さして大きな差が感じられない時「支持されている方」が売れる
でも今の時代、「それしかない」という商品やサービスは稀です。
どうしてかというと、売れてる商品やサービスは、すぐに類似商品、類似サービスが現れるからです。
よほど独自技術などを持っていて、他がマネできないようなサービスを提供しているのでない限り「マネ」は現れます。
ひょっとしたら、あなた自身が「マネしてる側」かもしれませんね。
法を犯しているのならともかく、合法的であれば「オリジナルは私のほうだ!」といくら叫んでも、あまり効果はありません。
なぜなら、お客さんは直接的には関係ないからです。
こうした場合に「支持されていること」が大事になってきます。
専門的な視点から見て違いがあるか無いかは、お客さんにとってあまり重要ではありません。
ワシのブログでは何度も繰り返しお伝えしていることですが
「違いがあるかどうか」よりも「違いがあるように見えるかどうか」のほうが大事なのです。
この「違い」とは、商品やサービスの「見た目」の課題もありますし、提供者の「違い」もあります。
たとえば、ナイキとアシックスのスポーツシューズは、専門外の人から見たら、さほど違いがないでしょう。
だとすると選ぶときのポイントは「ブランドが持っているイメージ」ってことになります。
どちらのイメージを支持するのかが、どちらを買うかという行動になって現れるのです。
この「イメージ」が支持されるかどうかの違いになってくる、ってことですね。
支持されるのは「姿勢」
あなたのふだんの何気ない発信の中には、
「あなたは身の周りの出来事に対してどのように感じ、振る舞うのか」
といった、イメージにまつわる情報がたくさん含まれています。
これが「支持される要因」になるのです。
ワシが「専門外のことであっても、日常のことであっても、発信したほうがよいよ。」
とお伝えしている理由は、ここにあります。
お客さんはサービスや商品に圧倒的な差を感じない場合、相手に対するイメージで選ぶ。
ということです。
ナイキのイメージ戦略
ナイキは、選手とスポンサー契約を結ぶとき、その選手が持っているイメージを注視しているそうです。
その競技界の中で「異端児」と見られている選手と契約を結んでいるのです。
「ナイキは異端児を支持する」という姿勢を明らかにしたいからですね。
このスポンサー契約自体が、ナイキの姿勢を発信しているのです。
「専門分野以外のことを発信する必要はない」という意見を持っている人は、おそらく「専門分野で圧倒的な差をつければよい」と考えているのでしょう。
たとえば、結婚相手をさがすとき「相手のスペック(学歴や職業)」で選ぶ人もいますよね。
もちろん「人がら」で選ぶ人もいます。
これは、正邪の問題ではなく、「その人が何を基準にして選んでいるのか」という問題です。
「人がらで選ぶような人に選んでほしい」と思うのであれば人がらを発信するべきでしょうし、スペックが自慢の人はスペックを発信すればよい、ということです。
だけど「スペックに優れた人」というのは、相対的に少ないからこそ、スペックが自慢になるわけでしょう?
また、スペックが高い人同士で競合になったら、結局は「人がら」で選ばれるわけでしょう?
それと同じことだと思うんですよね。
たとえば、スペック(性能や質)が高いことが売りのサービスがあっても、サービス提供者の性格が最悪、というケースがあるとします。
スペック重視のお客さんから見たら「しかたなく」この人のサービスを受けるかもしれません。
だけど、同じくらいのスペック(に見える)ほかの「やや性格のよい」サービス提供者が現れたら、速攻でそちらに乗り換えますよね。
スペック「だけ」で選ばれようとすると、つねに「ダントツで最高」でありつづけるか、「ダントツで最高のように見せ続ける」必要があるのです。
「姿勢」は独自性を感じやすい
スペックというモノは数値で測れることが多いため、序列が明確です。
年収500万より750万、750万より1000万のほうが多い、ってことは、誰にとっても「同じ」です。
だけど「姿勢」ってものは、序列がつきにくいものです。
ナイキが好きな人もいれば、アディダスが好きな人もいる。
これは、「優劣」などの序列ではないから、このように「棲み分け」ができるのです。
ある意味「自分のイメージ/ポジション」が確立してしまうと、それを維持するのは難しいことではありません。
逆に「スペックで最高」であり続けるのは、たいへんなことです。
大企業ならばともかく、個人の「スペック」には、かなり誇張や虚飾が混じっていることが多く、バレた時のリスクも大きなものになります。
商売のほとんどは「人気商売」
ワシが商売人やフリーランスを「芸能人」に喩えることが多いのは、こういった意味があります。
ほとんどのビジネスは、タレントと同じく「人気商売」なのです。
だとしたら「人気者」を研究するのが近道ではありませんか?
スペックではなく、イメージで人気を集めている人は、どのような発信をしているでしょうか。
その人のイメージは、あなたにとって「好ましいイメージ」でしょうか。
どのようにすれば「自分自身の好ましいイメージ」を発信できるでしょうか。
「たまたま」人気者になった人を除き、本当の人気者は、この辺りのことを徹底定期に研究しているはずですよ。
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