若手経営者養成スクール

第5回「IT・DXを活用したイノベーション」

開催日時:令和7年7月2日(水)14:00?17:00

会  場:刈谷商工会議所(愛知県刈谷市新栄町3-26)

主  催:刈谷商工会議所 中小企業相談所・(公社)刈谷法人会 刈谷支部・(一社)刈谷労働基準協会 刈谷支部

受 講 料:無料(刈谷モノづくり大学事業/刈谷市委託事業)

定  員:10名

対  象:刈谷市内の中小企業の経営者・後継者・次世代幹部(概ね50歳まで)

刈谷商工会議所が主催する「若手経営者養成スクール(全5回)」の第5講座を担当しました。本スクールは次代を担う若手経営者を対象とした刈谷市委託の人材育成事業で、AI・リーダーシップ・人材育成・財務・DXという5テーマを各専門家が担当する構成です。高橋は最終回となる第5講座「IT・DXを活用したイノベーション」を担当しました。

スクール全体のカリキュラム(参考)

開催日 テーマ 講師
第1回 6月4日(水) AIで時代を読み、次代を創る 渋谷 雄大 氏
第2回 6月11日(水) リーダーシップとBCP 矢代 晴実 氏
第3回 6月18日(水) 経営と数字「計数管理」 若林 和哉 氏
第4回 6月25日(水) 部下育成・コミュニケーション 片桐 由紀子 氏
第5回 7月2日(水) IT・DXを活用したイノベーション ← 高橋担当 高橋 浩士

第5講座について

「DX」「イノベーション」という言葉は耳慣れているようで、実際に自社で何をすればよいかが見えにくい概念です。この講座では、抽象的なキーワードを解体して「中小企業が今日から取り組めること」に落とし込むことを狙いとしました。

DXとは高額なシステム投資ではありません。「電話連絡をLINEに切り替えて履歴を残す」だけでも立派なDXです。重要なのは、経営課題を先に明確にし、それを解決するための手段としてITを選ぶという順序です。この講座ではその考え方の整理と、実際に自社のDX化を検討するワークを実施しました。

こんな方に向けた内容でした

  • DXという言葉はわかるが、自社に何が必要かまだ見えていない
  • IT導入を検討しているが、何から始めればよいか判断できない
  • 現場や社員を巻き込みながらDXを進める方法を知りたい
  • DXに失敗しないためのプロセスと注意点を事前に押さえたい

カリキュラム(第5講座)

1. DXとは何か、なぜ必要なのか

「デジタルトランスフォーメーション」の定義を経済産業省・Wikipediaの両面から整理し、「概念につけられた名前であり、特定の技術を指すわけではない」ことを明確にしました。マルチメディア・クラウド・ビッグデータなど、過去のIT系バズワードと比較しながら、コトバに振り回されずに本質を見抜く視点をお伝えしました。DXが必要な背景として、OECD加盟国の生産性比較データを示し、「他社が効率化を進める中で放置すれば、相対的に生産性が下がり続ける」という現実的なリスクも解説しました。

2. イノベーションとは何か

「業界初・本邦初でなくてもよい」――イノベーションは大企業だけのものではなく、「自社ではじめての取り組み」で十分です。ITを活用した新たな取り組みが、規模を問わずイノベーションになり得る事例を、個人事業主・老舗飲食店・中小製造業など複数の実例を交えて解説しました。リソースが極めて少ない個人でも、SaaSとSNSを組み合わせることで月商100万円超を実現したケースも紹介しました。

3. DX導入の落とし穴と成功の条件

DX導入企業の2?4割が失敗しているという調査データをもとに、失敗原因の多くが「IT人材の不在」「業者への丸投げ」「現状業務の理解不足」といった人的・プロセス的な問題であることを解説しました。「DXのためのDX」に陥らず、経営課題の明確化を先行させることが成功の前提条件です。

4. 中小企業のDX実践ステップ

「ゼロから作る」より「あるものを活かす」という方針のもと、SaaS(クラウドサービス)を使った現実的なDX導入の進め方を解説しました。まず「業務の棚卸し(ステップ0)」として、どこに時間がかかり・どこで業務が滞留しているかをホワイトボード等で可視化することが出発点です。その後、請求書のメール化など「まずひとつだけ導入→社内で使いこなす→効果確認→他業務に展開」という4ステップで少しずつ広げていく手順をお伝えしました。

5. AIを活用した自社DXの検討(演習)

ChatGPTを「DX相談相手」として活用する方法を実演しました。「自社の業種・規模・困りごと」を具体的に説明したうえでAIに相談することで、ツール候補・導入ステップ・コストの目安などの情報を効率的に収集できます。演習では受講者が自社の問題点をAIに入力し、出てきた回答をヒントとして自社のDX化プランを検討しました。

セミナーのポイント

  • 「DXは手段、目的は課題解決」という軸を一貫して強調。ツールの話に入る前に「自社にどんな困りごとがあるか」を言語化することの重要性をお伝えしました。
  • 実例多数。個人事業主・老舗食堂・中小製造業・サービス業など、規模・業種の異なる複数の事例でDX活用の具体像を示しました。
  • 演習つき。「自社の問題点→ITで解決できないか検討→ChatGPTに相談→プラン整理」という流れを、当日のワークとして実施しました。

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