B2B営業のはじめ方/営業してこなかった会社がゼロから成果を出す7つのステップ

B2B営業をはじめないといけないけど、やったことがないんです

そう話す社長は、決して少なくありません。

長年の取引先がいて、紹介でつながって、何となく仕事が回っていた。

でも最近、こう感じていませんか?

「このままで、来年も再来年もやっていけるのか?」
「新しい取引先を自分から取りに行かなきゃいけない気がする…」

そんなときに課題になるのが「B2B営業」です。

この記事では「今まで営業をしなくても何とかなってきた会社」がB2B営業に乗り出す際に必要なことについてお伝えします。
この記事でわかること
  • B2B営業の基本的な流れと成功のポイント
  • B2B営業の具体的な進めかた
  • 商談ではどのように見込み客と接するか?
  • B2B営業での信頼関係の築き方

このページの内容

B2B営業とは

B2Bとは、「Business to Business(ビジネス・トゥー・ビジネス)」の略です。

B2B営業とはつまり「企業が企業に対してモノやサービスを売る取引」のことです。

反対に、一般のお客さんに売ることは「B2C(Business to Consumer)」と呼ばれます。

つまり、B2B営業とは「企業向けの営業活動」です。

たとえば、次のようなケースがB2Bにあたります。
  • 製造業が、部品や素材を他社に納品する
  • 印刷会社が、パッケージや販促物を企業に提案する
  • コンサルタントが、業務改善や人材育成を企業に提供する
  • 清掃会社が、自動車販売店のショールームの清掃を頼まれる。
  • IT会社が、業務システムを法人に導入する
いずれも、売る相手が「会社」や「法人」であることがポイントです。

B2B営業の特徴

B2B営業には、B2Cとは異なる特徴があります。

たとえば──

相手が複数人(担当者・上司・経理など)で構成される
「決裁者」が誰かを見極める必要がある
価格や条件の交渉が発生しやすい
「安ければ買う」という話ではない
一度取引が始まると長期的になりやすい
信頼関係が構築できれば、継続的な売上につながる
これがB2B営業のメリットでもあり、難しさでもあります。

これまで営業してこなかった会社こそ、B2B営業に取り組むべき理由

多くの中小企業、とくに製造業や職人仕事に近い業種では、「営業は口コミと紹介だけで十分」と考えてきたケースがほとんどです。

でも時代は変わりました。

  • 既存の取引先が減少・廃業する
  • 若い後継者が新しい業者に切り替える
  • ネットやSNSで他社と比較されるようになる

こうした流れの中で、「待っているだけ」では仕事が減っていく一方です。

だからこそ、自分から動くB2B営業が必要になってきているのです。

どこから始めればいいのか?

そうか、うちもB2B営業やらなきゃ

そう思っても、最初の一歩がわからない…という方が大半です。

  • 誰に営業すればいい?
  • 何を持って行けばいい?
  • どんなふうに話せばいい?

次の章からはそんな「最初のつまずき」を整理しながら、無理なく始められるB2B営業のステップをお伝えしていきます。

B2B営業を始める理由とタイミング

ウチは職人気質で、営業は苦手なんだよね。

そんなふうに話す社長さんは多いと思います。

実際、これまで営業をしなくても仕事が来ていた会社はたくさんあります。

でも、ここ数年で流れが変わってきたと感じていませんか?

昔ながらの取引の限界が見えてきたとき

これまで支えてくれていた取引先にこのような変化は起きていないでしょうか?

  • 代替わりして、別の業者に変わってしまった
  • コスト重視で、値段だけで比較されるようになった
  • そもそも取引先が廃業してしまった

こんな話をあなたも耳にしたことがあると思います。

それは決して他人事ではありません。

「気がついたら売上の柱が減っていた」
「新しい顧客が増えていない」
「でも何から手をつけていいのかわからない」

こんな不安を抱えている社長こそ、B2B営業に乗り出すタイミングです。

いまB2B営業に取り組むべき理由

なぜ、いま動き出すべきなのか?

その理由を整理すると、次のようになります。

  • 既存の顧客だけに頼ると、将来の売上が読めない
  • 紹介に頼っていると、コントロールができない
  • 営業活動を仕組みにすれば、“人任せ”から抜け出せる

そして何より、新しい営業先が見つかると、経営に選択肢が増えるのです。

それは会社の安定にも、成長にもつながります。

必要だとわかっていてもなかなか乗り出せない

多くの社長が「営業しなきゃ」と思いながらも動けないのは、やり方がわからない/イメージできないからです。

  • どうやって見込み客を探すの?
  • 何を持って行って話せばいい?
  • すぐに気持ちが折れてしまって続けられる気がしない

そう感じるのは自然なことです。

でも、今は昔と違って「無理せず始める方法」があります。

こうしたことは「やってみないとわからない」ことが多くあります。

だったら早く手をつけたほうがオトクですね。

B2B営業で最初にやるべきこと

「営業しよう」と思ったとき、まず浮かぶのは「何を売るか」ではないでしょうか。

でもB2B営業では、「誰に売るか」のほうが圧倒的に重要です。

「せっかく提案したのに、全然響かなかった…」
「そもそも話を聞いてくれなかった…」
それは売る相手を間違えているのかもしれません。

B2B営業で最初にやるべきことは(仮でもいいので)「売る相手」を決めることです。

自社の商品やサービスは、誰の役に立つのか?

「こんな相手に売ってみたい」

という発想から初めてしまう人が多いのですが、ここで一度考えてみてください。

  • 今ある商品・サービスは、どんな会社の、どんな困りごとを解決できるか?
  • その困りごとを、「誰が気にしているか?」(社長?現場?総務?)
  • 実際に話を聞いてくれそうな“入り口”はどこか?

こうやって掘り下げていくと、「売れる先」は商品からではなく「相手の悩み」から見えてくることが多いです。

ターゲットを選び出す軸

ターゲット企業を絞り込むときは、以下のような視点で考えると整理しやすくなります。

  • 業種:製造業/飲食業/教育関連/医療・福祉 など
  • 企業規模:従業員数/年商/支店の数
  • 所在地:地元密着か?県外も狙うか?
  • 相手の立場:決裁者(社長・部長)? 現場担当者?
  • 課題やニーズ:人手不足/効率化/販促/品質管理 など

「このへんの企業に合うはずだな」と仮説を立てるだけでも、営業の方向がはっきりしてきます。

既存の枠を飛び出す勇気

今の取引先と似た業種ばかりを見ていると、新しいお客さんにはなかなか出会えません。

B2B営業を始めるなら、今までつながりのなかった業種や業界にも目を向けることが大切です。

「うちの商品は、実は別業界でも使えるんじゃないか?」
「これまで営業してこなかった分野にこそ、伸びしろがあるかも」

こんな発想を持つと、営業が一気に広がっていきます。

最初は「仮のターゲット」でOK

ターゲットを決めると言っても、最初から完璧に当たるとは限りません。

なので最初は、

「まずこの業界に声をかけてみよう」
「こういう規模の会社から反応を見てみよう」

というように、仮説を立てて、試してみることが大切です。

B2B営業は、動きながら調整していくのが当たり前です。

B2B営業の進め方/アプローチ手法をえらぶ

どこに売るかを決めたとしても、どうやって声をかけたらいいんだろう?

わかります。ここで止まってしまいますよね。

昔ながらの「電話かけて、アポ取って、訪問して」というやり方もあります。

でも、それだけが正解ではありません。

今の時代に合ったB2B営業の「入口のつくり方」を整理していきましょう。

飛び込み営業やテレアポは、今では非効率

以前は「営業といえば足で稼ぐもの」と言われていました。

でも、今は状況が変わっています。

  • 飛び込み訪問は、そもそも相手に迷惑がられる
  • テレアポは、電話に出てもらえる確率が低い
  • 業務のオンライン化が進んだため担当者がつかまらない

つまり、昔の「根性営業」では成果が出にくくなっているのです。

B2B営業のアプローチ方法

今どきのB2B営業では、会社の状況や社長のスタイルに合わせて、いろんなアプローチ手段が選べます。

紹介営業
信頼できる知人や取引先から、新しい企業を紹介してもらう
展示会や業界イベント
関心の高い企業が集まる場所で、名刺交換から関係をつくる
セミナー開催や登壇
ノウハウを提供しながら、関心をもった企業と出会う
営業用のDM・メール送信
ターゲット企業に情報を送って、きっかけをつくる
ホームページやSNSでの情報発信
「見つけてもらう営業」の土台になる

それぞれ個別に深いノウハウがあるので、これらを実施すればすぐ成果が期待できるわけではありません。

どの手法が自社に合っているか?

どれがベストかはあなたの業種や社長の性格、人材などのリソースによって変わります。

話すのが得意なら → セミナー・動画・SNSなど
裾野が広い業界にいるのなら → 既存の人脈を深掘り
技術力で受注を獲得したいなら → 展示会・サンプル提供
文章が得意なら → DM・メール営業
まずは無理なく取り組める方法から試してみることです。

誰が口火を切るのか?やっぱり社長が動くのか?

最初のうちは、社長が営業に出たほうが早いケースが多いです。

特に中小企業では、「この人と仕事がしたい」と思われることが大切だからです。

でも、ずっと社長ひとりで営業し続けるわけにはいきませんよね。
  • 社長がやる部分
  • 社員に任せられる部分
  • 外部に委託できる部分
これらを整理しながら、営業体制を「まわる仕組み」にしていくことが、次のステップです。

B2B営業での商談

商談までこぎつけたけど、商談って何をすればいいんだろう

B2B営業では、商品説明のうまさより、“聞く力”のほうが成果に直結します。

売り込むよりも「引き出す」ことが大事です。

「売る」より「気づいてもらう」がB2B営業の仕事

多くの社長がやってしまいがちなのが、「商品の説明に時間をかけすぎる」ことです。

もちろん、自社の強みや特長を伝えるのは大切です。

でも相手にとって重要なのは、

  • この会社は、うちの課題をわかってくれてるか?
  • 話してみたら、自分でも気づかなかった問題に気づけた

という気づきと共感です。

それを引き出すには、まず相手の話をよく聞くことがスタートです。

ヒアリングで引き出す3つのポイント

初めて訪問する相手でも、以下のような聞き方を意識してみましょう。

課題を探る
「今どんなことにお困りですか?何を改善したいですか?」
現状を聞く
「その困りごとに対して今、どんな形で対応していますか?」
理想を引き出す
「どんな状態になっていれば困りごとは解決されたことになりますか?」

こういった質問で、相手の頭の中を“見える化”していくことが大切です。

プロの視点で問題を炙りだす

商談で最初に相手から出てくる話は、たいてい表面的な困りごとです。

  • 作業が属人化してて困ってます
  • 納期がタイトで現場が回らないんです」
  • もっと効率化できればと思っています

でも実際に掘り下げていくと、こんなことが「真の原因」だということがわかります。

  • 属人化の背景に「業務マニュアルがない」
  • 納期遅れの本当の原因は「工程管理の不備」
  • 効率化以前に「やらなくてもいい仕事」が多すぎる

など、根本の課題は別のところにあることが非常に多いのです。

本質的な課題に気づかせられれば、提案は刺さる

表面上の問題に合わせて商品を売るより、相手がまだ気づいていない「本当の問題」に対して提案できると、受注率は一気に高まります。

「そこまで言ってくれるのは、御社だけだった」
「そこが本当の原因だったんですね。なるほど…」

こんな言葉を引き出せたら、商談はもう一歩深まった証拠です。

相手先企業から見て「仕事を発注する相手」ではなく「思考を整理し、課題を明確にしてくれるパートナー」として位置づけられるようになります。

ヒアリングから提案につなげるコツ

ヒアリングができたら、それをふまえて提案につなげます。

このときのコツは「うちの商品はこうです」ではなく相手の話に「続けて説明する」ことです。
「●●の部分でお困りと伺いましたが、ウチではこういう形でサポートできるかもしれません」

このように会話の流れの中で「商品説明」ではなく「どのように役立てるか」を提案すると、自然に受け入れられやすくなります。

クロージングは「押す」のではなく「確認する」

クロージングってなんか怖いんですよね。

商談の最後、「どうですか?導入してもらえますか?」と聞くのが怖い、という方もいます。

クロージングは「押す」のではなく「確認する」イメージで臨みましょう。

  • 「ご検討いただくうえで、何か引っかかる点ありますか?」
  • 「社内でお話しいただくとしたら、どなたにお伝えする形になりますか?」
こうした「次の一歩を共有する」ことで、商談が自然に前へ進みます。

B2B営業をチームで仕組みに変える

わかっちゃいるけど、結局社長である私が全部やるんだよね

たしかに最初は社長自身が動くほうが早いし、成果も出やすいです。

でも、ずっと社長ひとりで営業を抱え続けるのは限界があります。

営業を「属人化」させない

営業が属人化すると、こんな問題が起きます:

  • 社長が不在になると営業が止まる
  • 引き継ぎができず、社員が育たない
  • 成果が出ても再現できない

つまり、社長の経験や勘に頼った営業は「続かない」のです。

だからこそ、「仕組み」に落とし込んでいく必要があります。

小さな会社でも営業体制はつくれる

営業部なんてウチにはないよ

規模の大小に関係なく、“営業体制”は少人数でもつくれます。

最低限、以下のようなことを明確にしてみましょう:

  • 誰がアプローチするか(社長?社員?)
  • どのターゲットに、どんな資料を持っていくか
  • どこまで話が進んだかを、社内でどうやって共有するか

この3つを整えるだけで、営業活動が仕事として回るようになります。

情報を「見える化」するだけで変わる

営業の進捗や見込み客の情報を、担当者の頭の中だけで管理していませんか?

それを紙でもExcelでもいいので「見える化」することが第一歩です。
  • 商談リスト(いつ・誰が誰と・何を話したか)
  • フォロー予定(次回連絡するタイミングとフォロー内容)
  • 失注理由や相手の反応(次に活かせる)

これだけでも、次にやるべきことがはっきりしますし「担当者不在」であったとしても最低限のことはわかります。

B2B営業を強みにできる会社が、なぜ生き残るのか?

ここまで読んでくださったあなたは、
「ウチもいよいよ、B2B営業に本気で取り組む時期だな」と感じておられることでしょう。

では最後に、これからの時代においてB2B営業を強みにできる会社が、なぜ生き残るのか?

その理由と、これからの一歩について整理して締めくくります。

商品力だけでは選ばれない時代になった

昔は「いいモノをつくれば売れる」と言われていました。

でも今は、モノやサービスがあふれています。

  • 価格競争になりやすい
  • 比較検討されるスピードが早い
  • ネットで簡単に取引先が見つかる

そんな中で、「いいモノを誰に、どう届けるか」まで設計できる会社だけが選ばれるようになっています。

つまり、商品力 × 営業力=真の競争力です。

営業力がある会社は「選ばれる会社」になる

B2B営業を地道に続けている会社には、取引先から「ぜひ相談したい」と声がかかるようになります。

  • ウチの話をよく聞いてくれる
  • 提案が的確で、資料もわかりやすい
  • 導入後のフォローまで想像できる

こうした対応ができる会社には「また頼みたい」という信頼が生まれます。

B2B営業開始に向けてまず最初にやってみること

営業は特別なスキルではありません。

大事なのは「やる」と決めて「試してみる」ことです。

最初から完璧でなくていいんです。

失敗しても、それが次につながります。

  • 誰に売るかを考える
  • 営業のやり方を試す
  • 相手の話を聞く
  • 伝わる資料を用意する

これらを少しずつ進めていけば、あなたの会社は「営業力のある会社」に育っていきます。

あなたの会社のB2B営業は、これからが本番です

  • 売上に波がある
  • 受注が読めない
  • 先の見通しが立たない

そんな状況を変える力が、B2B営業にはあります。

今までは紹介に頼ってきた会社も、これからは「選ばれる会社」へ。
ぜひこのブログをヒントに、まずは「自社にできる一歩」を踏み出してみてください。

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