先が見えない不安の中、小さなビジネスがやれることとは【コロナ自粛】
連日、オンラインで多くの「ひとりビジネス」「スモールビジネス」の方々のお声を聴いています。
そこからわかってくるのは、職種やビジネスモデルによって、影響に大きな差がある、ってことですね。
先日お話しをお伺いした広告関係のかたは
つい先日(4月の第一週)まではほとんど影響がありませんでしたが、先週、ほぼすべての仕事が飛びました。
とおっしゃっていました。
つまり「今大丈夫」だからといって「来週も大丈夫」とは言えないところがコワイですね。
さて、派手なイベント告知まで慎まなきゃいけないようなムードの中、スモールビジネスのわれわれには何ができるでしょうか。
ちょっと考えてみましょう。
何のための取り組みか
何か「手立て」を考える場合、「何のために手立てを考えるのか」というところから考えはじめる必要があります。
でないと「やみくも」になってしまいやすいからですね。
現在は、「緊急事態」です。
通常のビジネスを運営しているときとは、明らかに状況が違います。
大災害が起きたときと、同じ状況です。
いや、「同じような」というより、これはもう「大災害そのもの」ですもんね。
大災害が起きたとき、最優先にやるべきことは「なんのため」にやるのですか?
それは「生き延びるため」ですね。
だとしたら、いまスモールビジネスがやらなきゃいけないこととは「生き延びるためにやること」が最優先になります。
自宅が火事になった場合、「大事な趣味の自転車がパーになってしまう」とか「つくりかけの夕ご飯が台無しになってしまう」とか言っていられないのです。
長期が前提
いま、不安の種は「先が見えない、いつ終わるのかわからない」というステージに移りました。
少なくとも明日終わることはありません。
つまり長期戦です。
災害で言えば「仮設住宅に1年以上住む」ことを覚悟しなきゃいけない、ってことです。
いま採るべき手立てとは「臨時」「緊急」の取り組みであるにせよ、「それでしばらくやっていくことになるかもしれない」という前提が必要なのですね。
このとき、とても有利なのは「備え」があった人です。
「災害袋」や「備蓄食料」を用意してあった人は、焼け出されたとしても、少なくとも救助されるまでは生き延びることができます。
今回の場合は「災害袋」「備蓄食料」とは何でしょう?
いちばんは「現預金」ですね。
これがあれば、命をつなぐことができます。
これがない人は、政府の経済対策の情報(頻繁に更新されます)をチェックしておいたほうがいいですね。
【その1】正気を保つ
冗談ではなく、実はここが最優先で、一番だいじなポイントかもしれません。
先行きが見えず、外に出て人と会うことも少なくなった今、「経営者のメンタルの崩れ」がビジネスにも大きな影響を与えます。
実際にここ数日、オンラインで多数の個人事業のかたがたとお話しをしていますが「メンタル」に問題を抱えつつある人が多いです。
先日ご相談くださったかたの中にも
ここしばらく死ぬことばかり考えていました。
という方もいらっしゃって、感染爆発だとか経済危機だとかいったスケールの大きな危険ではなく、
すぐそこにある身近で、今まさに迫りくる危険
を感じました。
メンタルが崩れると、いろいろと弊害が出てきます。
- 積極的な手段が思い浮かばなくなる。
- 問題点の特定など、冷静な分析ができなくなる。
- モチベーションが高いときに比べて動きが極端に遅くなる。
簡単に言ってしまえば、メンタルが崩れると、メンタルが平常の時ならば乗り越えられるような壁が、乗り越えられなくなるんです。
予防的な措置としてはメンタルトレーニングの本を読むなど、「正しい知識を身につける」ことがいちばん。
知識を身につけると言っても、「自称メンタルの専門家」といったブログなどの信ぴょう性が確認できない情報よりも、大学の教科書に使われているような正当性が明らかな書籍のほうがオススメです。
もしなってしまった場合には、カウンセリングを受ける、医療機関で適切な治療を受けるなど、「体面や見てくれ」を気にせず、とにかく「メンタルを元に戻すこと」に集中して取り組みます。
【その2】既存客との関係を維持する
焦ってしまうと忘れがちなのがコレですね。
一時的に営業を停止したり縮小したりするのはやむを得ません。
だけど「営業再開したときに元のお客さんが全員また戻って来てくれる」と思ったら、それはヤバいです。
つまり、何割かのお客さんは、これをきっかけにして離れてしまう可能性が高くなるんですね。
これは、しばらく連絡を取らなくなった知人が徐々に疎遠になっていく現象と似ています。
相手のことがキライになったわけでもないのに、ただ「しばらく連絡をしなかった」というだけで、人の心は離れて行くものです。
だとしたら、コロナ自粛している間に、お客さんとの接触を続けておくことが大事ですね。
一般の人がお客さんであればLINE、そしてビジネスのお客さんが多ければメルマガ、もっと近しいお客さんには紙媒体のニュースレター。
なんなら一通ずつハガキを書いてもいいですよね。
「自分との関係を大事にしてくれた、維持してくれた」
と感じてくださったお客さんに、戻って来てほしいですもんね。
この点から見ると、実はチャンスでもあります。
しばらく離れていたお客さんにも、連絡を取ることができる大義名分があるのです。
来店や購入がなくなってしばらく間が空いたお客さん(「離反客」と言います)って、連絡しにくくないですか?
そんな、普段なら連絡しにくい離反客にも、いまは堂々と連絡できる口実があるんです。
つまり
「今、たいへんな時ですが、大丈夫ですか?」
というご連絡です。
これによって「自分のことを覚えていてくれた」と感じてくれるお客さんもいらっしゃるかもしれません。
コロナが明けたとき「コロナ自粛の間に何をしていたか」で、業績の回復のしかたに大きく差が出るんじゃないでしょうか。
【その3】多くを失っても立ち上がれるスキルを身につけておく
今回の事態で痛感したのは「ふだんの備えの大切さ」です。
災害袋だとか緊急用の食料を備蓄してある家庭は、イザというときに長く生き延びることができますよね。
今回のコロナ自粛のケースであれば、「やっておいたほうがよかった備え」とは、言うまでもなく「リモートで仕事をする環境や知識」です。
ワシは以前からオンラインコンサルを重視していたし、オンラインを主体とした勉強会を重視して、運営していました。
そのため、「明日から一歩も外に出ないように」と言われても、この点に限定して言えば、大きく影響はありません。
だけど「ウチは会ってお話しをすることに重点を置いているので」という理由で、オンライン対応していなかった会社は、対応に追われていますし、業務に影響が出ていることは明らかです。
今回のコロナのことについては誰も予想できなかったはずです。
でも台風や地震、自然災害などはこれまでにも経験しているわけで「非常事態」というものは、思ったよりもひんぱんに発生するものです。
ワシの住む名古屋などは、冬場に10cm雪が積もると交通機能がマヒしてしまうほどで、数年に一回は起こります。
この程度の頻度で起きていることに対して「想定していなかった」というのは、やっぱり甘いのかもしれません。
(こう書きながら、自分でも反省すべき点は多々見つかります)
極端な話として、コンサルティングという業務は、災害時にパソコンとスマホがあれば、業務を再開できる仕事です。
工場や店舗など、多くのお仕事では、このようにはいかないでしょう。
だけど「イザというときにはコレとアレさえあれば最小限の業務は継続できる」という想定をしておくだけでも、かなりの「備え」になるはずです。
今のコロナ騒ぎも、この先どうなるかわかりません。
場合によっては、今以上の「イザというとき」が訪れるかもしれないってことです。
その場合の「イザというときのコレとアレ」を準備しておきましょうね、ってことです。
ワシの場合、さきほど「パソコンとスマホがあれば」と言いました。
コレは自分のモノである必要さえなく、自前のパソコンが失われても、ネットカフェや借り物のパソコンでも大丈夫なワケです。
だとすると、「失っても立ち上がれる最後の拠りどころ」とは、自分自身が持っているノウハウだとか発信力そのもの、ということになりますね。
「ドロナワ」ではありますが、今このタイミングで、「自分がありとあらゆるものを失ったときに、どうやって立ち上がるか」を想定しておくのは、大事なことかもしれません。
あらゆる手立てを使って、生き延びてください。
そうすれば、また会えます。
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