フリーランスや個人事業主も事業計画書を作ったほうがいい理由
なんだか難しそうだし、事業計画書なんてなくても経験と直感で仕事をすればいいような気もします。
結論を先にお伝えすると、個人事業主やフリーランスも、事業計画書を作ることをオススメします。その理由についてお伝えしていきます。
事業計画書を作った人のほうが、業績が伸びる傾向があると、統計でも示されているからです。
- 個人事業主やフリーランスも事業計画書を作ったほうがいい理由
- 個人事業主やフリーランスの事業計画書にはどんな内容を書けばいいのか
- フリーランスや個人事業主の事業計画書づくりをお手伝いするサービスについて
自治体(県や市)、商工会議所などの経営相談員やセミナー講師の委託も受けていますので、あるていど安心していただけるかと思います。
これまでに140人以上の事業計画書(ビジネスプラン、創業計画)のアドバイスをしてきました。
このページの内容
なぜ、個人事業主やフリーランスであっても事業計画書を作ったほうがいいのか
最初に大事な事実をお伝えします。
「事業計画書を作ったことがある個人事業主やフリーランス」と
「事業計画書を作ったことがない個人事業主やフリーランス」
では、「売上が増えているかどうか」に大きく差が出ています。
中小企業庁が毎年刊行している「中小企業白書/小規模企業白書」の平成24年版に掲載されていた統計データから見えてくる、
「事業計画書を作ったことがあるとない人の違い」について見てみます。
事業計画書を作ったことがある個人事業主は、売上が伸びている割合が多い
フリーランスや個人事業主の半数近くは「事業計画書を作ったことがない」という統計が出ています。(平成24年度中小企業白書/中小企業庁)
その一方で、事業計画書を作ったことがあるフリーランスや個人事業主は、作ったことがない人に比べて「売上が増えている」と答えた人が68.3%も多いんです。

平成28年度中小企業白書(中小企業庁)より
同じ資料によると、事業計画書を作った個人事業主やフリーランスの73.8%もの人が、その効果として「経営方針と目標が明確になった」と答えています。
事業計画書を作ることにより、「やるべきこと、取り組むべきこと」がハッキリして、ブレずに集中できるから、業績が伸びると考えることができますね。
これが、フリーランスや個人事業主でも事業計画書を作る最大のメリットです。
フリーランスや個人事業主とはいえ、計画的な経営は、業績アップに効果が認められているのです。
だったらなぜ、個人事業主やフリーランスの多くは事業計画書を作らないの?
経営に対してマジメに取り組んでいる人ほど、事業計画書の重要性は認識しているようです。
実際に、個人事業主やフリーランス(非法人)でビジネスをしている人でも、43.9%の人は、事業計画書(または経営計画など)を作ったことがある、という統計が出ています。

出典「2016年度版 小規模企業白書」(中小企業庁)データより作成
ということは、事業計画書を作ったことがない個人事業主やフリーランスが半数を上回っています。
個人事業主やフリーランス、小さな会社の経営者の方とお話しをしていると
事業計画書というものの存在を知らなかった。なんですかそれ?
という基本的な質問のほかに、
事業計画書、経営計画は作らなきゃいけないと思うんだけど、どのように作っていいのかわからない。
何を書けばいいのかわからない。
というお声をよく耳にします。
実際に事業計画書を作った個人事業主やフリーランスへのアンケートとして、「誰かの手助けを借りなくても作れたと思う」と答えた人は、全体の13%しかいませんでした。

平成28年度中小企業白書(中小企業庁)より
誰かの客観的な指摘があったほうが、偏見や思い込みの少ない、中立的な事業計画書を作ることができます。
個人事業主やフリーランスが事業計画書を作るメリット
ここまでの統計資料からは、「個人事業主やフリーランスでも事業計画書を作ったほうがビジネスの成果が上がりやすい」ことが見えてきました。
ここからは、実際の現場から見た「事業計画書を作ったほうがよいメリット」と、その落とし穴について考えてみます。
自分の事業の全体像が明らかになる
「自分の事業のことくらい、自分がいちばんよくわかっている」
と考えている個人事業主やフリーランスが多い中で、実際に事業計画書を作ってみると
- 意外と自分は業界のことを知らない。
- 以外と自分はお客さんのことを知らない。
ということが明らかになります。また
- どんな相手と、どのような取引が、どれくらいあるのか。
- どんなお客さんが、どれくらいの割合でいるのか。
という基本的な「現在のビジネスの状況」を書面化していくにあたって、「現状の自分のビジネスの本当の姿」が明らかになります。
どこを目指すべきなのかを改めて考える機会になる
小さなビジネスを営んでいる個人事業主やフリーランスは、日々の仕事に追われて「何のために、どこを目指しているのか」ということを見失いがちです。
事業計画書を作る作業とは、単なる「書面づくり」ではなくて、「将来にわたって自分は何をして行くのか」を考える作業にほかなりません。
場合によっては事業計画書を作っていく過程で「今やっていることは、本当に妥当なことなのか?」と疑うような場面に出くわすかもしれません。
事業計画書づくりとは、書面を作りながら、自分のビジネスを再構築していくための作業なのです。
具体的に「自分は何をやるのか」が明確になる
計画とは、この先に向かって何を実現させるのか、そのために何をして行くのかを明らかにする作業です。
これまで、ただ漫然と目の前の仕事を片付けているだけのビジネスは、計画的だとは言えません。
事業計画書を作り上げていくことによって、いつまでに、自分は何を実現するのか。
そのために何をして行くのか、という見通しが明らかになります。
自分が決めたことにコミットできる
当たり前の話ではありますが、経営者が自分で作る事業計画書は、誰かから押し付けられるものではありません。
経営者にとっての事業計画とは上から与えられるものではなく、自分で「自分はこうする」と決めることなのです。
人から与えらるものであれば「納得が行かない」ということもあるでしょう。
だけど、経営者による事業計画書づくりとは自分で決めることなので、それは100%、自分自身の責任によるものです。
個人事業主やフリーランスが事業計画書を作る作業とは、自分が決めたことにコミットする。つまり「責任のある約束」を自分に誓う作業なのです。
だから絶対に達成するのだ
という、日々の自分の活力の源になります。
落とし穴:事業計画書を作りさえすれば売上は伸びるのか?
ここまで見てきたように、フリーランスや個人事業でも、事業計画書を作ることによってさまざまな「よいこと」が期待できることがわかります。
しかし「事業計画書を作りさえすれば売上が伸びる」という単純な話ではありません。
作るだけではなく
確認、実行、調整、フィードバック
をしていくことによって、「計画」は「現実」に近づいていくのです。
毎日のように事業計画書を見直しながら、実行していくことが大事になります。
事業計画書を作った個人事業主の多くは
とおっしゃいます。
この点検作業が、仕事のパフォーマンスアップにつながるんですね。
個人事業主やフリーランスの事業計画書づくりをお手伝いします。
実際に真剣にビジネスに取り組んでいる人から、
という声を聴くことが多いです。
そこで、このブログ記事を書いているスモールビジネスコンサルタントの高橋浩士が、個人やフリーランスのかたに向けた「事業計画書づくりのお手伝い」を提供しています。
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全4回のオンライン打ち合わせを経て、マンツーマンで事業計画書を作り上げるまでご支援します。
事業計画書作成支援サービスの詳しい内容のご確認とお申し込みは、こちらからご覧いただくことができます。
まとめ:自分が進むべき地図を自分で描こう
事業計画書とは、自分が進むべき「地図とコンパス」です。
地図を持たずにさまよい続ければ、目的地から遠ざかっていても気づきません。
「地図を持たない」ということは、目的地がどこにあるのかさえ、わからないということなのです。
「事業計画書を作ったことがある人は成果が出やすい」という統計は、
事業計画書という地図とコンパスを手にした人は、目的地にはやくたどり着くことができる。
という意味だと捉えることができます。
自分が進むべき道を示した地図を、自分自身の手で描く。
って、なんだかワクワクしませんか。
あなたと一緒に地図を描けることを楽しみにしています。
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