自力で前に進める人。立ち止まって進めない人。
ご相談者にもよりますが、コンサルティングって、細やかな手法をすべてお伝えしているわけではありません。
たとえば
「おススメの決済代行サービスを教えてください。」
「どんな画像編集ソフトを使っていますか。」
「このテーマについて、よい本はありますか」
という質問にはお答えしますが
「ブログってどうやって開設するんですか」
「撮った写真が暗いのですが、どうすれば明るくなりますか」
「パワポのこの機能って、どうやって使うんですか」
って質問には、あまりお応えしていません。
いや、厳密に言うと
尋ねてくれれば応えるけど、そのためにコンサルティングを依頼しているわけではないよね。
ってことです。
考えたり調べたりせずに尋ねる人は、自力で前進できない
「〇〇というアプリの使い方について知っている人」
をつかまえて質問しない限り、前に進めない、ということになりますね。
ひとつひとつお伝えすることはできても、次にわからないことが出て来たら、また誰かに尋ねないと、先に進めません。
それに、尋ねてくる人の多くは、自分で調べずに「人に聴けば何とかなるや」と思っている人が多いと思います。
「人に尋ねる場合には、自分で調べてみてわからないとき」という方針に替えたほうがよいと思います。
「尋ねればすぐだけど、自分で調べたら時間がかかる」
って思いますか?
たしかに、たとえば著作権関連のトラブルに対してどう対処すればいいか、といった専門性の高い知識を必要とする場合には、お金を払って専門家にアドバイスを求めるのがイチバンです。
だけど「ブログを開設する」「動画をYoutubeアップする」ということは、一般の小学生でもやっていることであって「専門知識」ではありません。
これからますます普及していく、「一般のツール」つまり「インフラ」になっていくのです。
インフラが使えないのは単純に不便なだけ
これはお年寄りが
「デッキはあるけどテレビの録画ができない」
「レストランのタッチパネルメニューが使えないから自分で注文できない」
「キャッシュレス決済ができないから現金を持ち歩き続ける」
「オンラインバンクを使えないので銀行に行かないと振込ができない」
というのと同じです。
インフラが使えないと、「自分だけが不便なやりかたにとどまりつづける」ことになります。
そして、困ったことに「とどまり続けても不便を感じにくい」という問題点があります。
キャッシュレス決済を使ったことがない人は、その便利さを知らないため、現金で支払いを続けていても不便を感じにくいですね。
だけど、次第に大型スーパーの「セルフレジ専用レーン」だとか高速道路の「ETC専用レーン」のように「不便を選択している人はどんどん不便になっていく」ようになります。
レストランで注文するたびに、誰かほかの人にタッチメニューを操作してもらい続けることになります。
最初に挙げた
「ブログってどうやって開設するんですか」
「撮った写真が暗いのですが、どうすれば明るくなりますか」
「パワポのこの機能って、どうやって使うんですか」
という質問の多くは、レストランに行くたびに店員さんをつかまえて
「これってどうやって注文するんだ?」
と尋ねるようなものです。
銀行に行くたびに
「振込ってどうやってやるんですか」
って尋ねるようなものです。
人に頼めるようになれば、お金を払って人に頼めばいいでしょう。
でも個人ビジネスの人の場合は、自分でやったほうが速くて「自分の意図を確実に反映できる」ことを速くできたほうがいいですね。
たとえば確定申告を自分でやらなきゃいけないようなものです。
顧問税理士さんに依頼できるようになれば、そこはお任せするようにすればいいんですよね。
みんなわかって使っているわけじゃない
今の時代、ウェブサイトやブログも、SNSも「一般の人が使う前提で」作られています。
レストランのタッチパネルメニューと同じで、けっして法律問題のように「プロの領域」ではありません。
銀行の振り込みを窓口でハンコ押して振込用紙に記入するより、ATMのほうが速いですよね?
速く進める人とは、「自分で何とかしちゃう力」を身につけているものです。
そのためには「自分で調べてなんとかやってみる」をくりかえすしかありません。
はじめて入ったレストランのタッチパネルメニューも、決してみんな予めわかっていて操作しているわけではありませんよね。
Youtubeのアップとか、画像加工とか、みんな器用にやっているように見えますが、レストランのタッチパネルメニューと同じで
「みんな最初からわかっているわけではない」
ってことです。
「わからない」「むずかしそう」で止まっていたら、止まったままですよ。