個人事業主の成功事例が中小企業ではうまくいかない理由
中小企業よりも小さな個人事業でできることであれば、ウチでもできるはずなのに、ナゼできないんだろう?
個人事業主や中小企業のコンサルティングをしていると、中小企業よりも個人事業主やフリーランスのほうがフットワークが軽く、取り組みを開始してから成果が見えるまでがスピーディです。
この記事では
について取り上げます。
- 中小企業の動きが個人事業主よりも鈍くなるのはなぜか?
- 個人事業主と中小企業の経営者の役割のちがい
- 中小企業がスピーディにうごくためには
自治体(県や市)、商工会議所などの経営相談員やセミナー講師の委託も受けていますので、あるていど安心していただけるかと思います。
このページの内容
中小企業がかかえる問題点のほとんどは個人事業主と同じ
この記事では便宜的に「ひとりで仕事をしている人を個人事業主、スタッフがいる場合を中小企業」と呼ぶことにします。
業種にもよりますが、スタッフ20人以下の中小企業であれば、抱えている問題点の60%前後は個人事業主と同じです。
個人事業主であっても動きが鈍い人もいれば、中小企業でもフットワークが軽い会社はいくらでもいます。
- 個人事業主だったときにはすばやく動けたのに、中小企業になったら動きが悪くなった。
- 個人事業主でうまく行った事例を聞いて、ウチにも取り入れてみようかと思ったけど、「笛吹けども踊らず」でチームが動かない。
この違いは、どこにあるのでしょうか?
個人と組織の「気がついてから動き出すまで」のちがい
スピード感に大きな違いが出る理由。
それはズバリ「組織であるかどうか」の違いです。
たとえば、個人事業主が何らかの必要性を感じて動き出す場合、次のようなステップがあります。
- 必要性を感じる
- 動く意思が生まれる
- 動く
個人事業主でも動きが鈍い人がいますね。
そんなひとは、この各ステップの間に時間がかかるからです。
次のステップに移動するまでに極限まで時間がかかると「わかっていても取り組まない」という状態になります。
これが組織になると、決定者と実行者が異なるため、次のようにステップが増えます。
- 経営者が必要性を感じる
- 経営者に動く意思が生まれる
- スタッフに伝達する
- スタッフが必要性を感じる
- スタッフに動く意思が生まれる
- 動く
まずはステップの数が増えるので、経営者が必要性を感じてからチームが動き出すまでに時間がかかります。
経営者が語りかけ、スタッフが動くには
組織の場合、経営者が必要性を感じてから動き出すまでには経営者がスタッフに語りかけて必要性を感じてもらう必要があります。
これを実現するためには、次の二つの要素が大事です。
- 経営者の説明力
- スタッフの現状維持志向
どうせ言ってもスタッフは動いてくれない
けっこう多くの経営者から、このようなボヤキを聞きます。
これでは、最初から率先して組織を動かしていこうという熱意にかけていると見られても仕方がありません。
そして多くの場合、経営者自身が「なぜ必要なのか」をほんとうに理解していなかったり、何に取り組もうとしているのかという根本的な理解ができていなかったりします。
経営者は技術的な詳細までを理解する必要はありません。
ただ経営者は「それによって何がよくなるのか、なぜよくなるのか」については理解しておく必要がありますね。
- 経営者の取り組みに対する理解
- 取り組んでより良くしていこうという熱意
- スタッフに理解と共感を促せる説得力、言語力
が欠かせないということになります。
人はできるだけ今のやり方を変えたくない
もうひとつの壁がコレです。
経営者からは「スタッフの抵抗」と認識される原因は、この「人は今までのやりかたを変えたくないから」という点にあります。
もっともよく見られるケースが、これまで書面で管理していた資料をIT化するようなケースです。
書面で慣れていた人たちは、IT化を拒みます。
これは
- 新たに覚えることが増える
- 今までのやり方ならそのままでいいのに、慣れるまでに時間がかかる
という「面倒」が根底にあります。
さらに、これまでにもほかのシステムをIT化する際にトラブルがあった場合などには
「それ見たことか」
という記憶が根づよく残ります。
経営者としては
最初のうちは面倒もあるし、トラブルの可能性もあるけど、導入後に慣れればミスが減る、スタッフも早く帰ることができるようになる。
といったスタッフ側の長期的なメリットも理解した上で、伝える必要がありますね。
まとめ:チームでうまく行くにはコミュニケーション
「組織が成り立つための3原則」というものをご存知ですか。
- 共通目的
- 貢献意欲
- コミュニケーション
です。
歴史的に見ても、このうちのひとつでも欠けると、ほかの二つに影響を及ぼし、組織は破たんします。
何のためにやっているのか、どうなればみんながうれしいのか。
という点について、何か新しいことに取り組むときだけではなく、ふだんからコミュニケーションをとっておくのが望ましいですね。
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