価格戦略は集客より儲かる【価格設定で利益倍増】
安くすれば売れるような気もするし、高くすれば利益は増えてもお客さんが減るかも、と思うと踏み切れません。
何を基準に値決めをすればいいのか、悩みどころです。
「集客」にいっしょけんめいな人が多い一方で、価格設定についてはおおざっぱな人が多いですよね。
今回は「価格戦略」についてお伝えします。
- 価格設定(値上げ、値下げ)によって、売上や利益がどう変わるのか。
- もっとも売れる価格ともっとも儲かる価格設定の違い。
個人事業から最大スタッフ10人程度までのスモールビジネス専門のコンサルタントです。
自治体(県や市)、商工会議所などの経営相談員やセミナー講師の委託も受けていますので、あるていど安心していただけるかと思います。
このページの内容
価格戦略によって儲かり方が大きく違う
今日の話題は「集客よりも効果がある価格戦略」って内容です。
価格を変えると売れ方や利益に影響があることは、誰でも、なんとなく知っていますよね。だけど、どうすればどんな影響があるのか、考えたことはありますか。
値下げシミュレーション
ビジネスをしている以上、たいていの人は、いちどは考えたことがあるんじゃないでしょうか。
だけど、経験した人も多いかもしれませんが、多くの場合、
売れないモノは安くしても売れません。
もし、安くして少し販売数が増えたとしても、「儲け」が下がってしまうことが多いのです。
安くしたら売れた。売上が増えているか?
20%OFFにしたら、いつもより2割たくさん売れたとしましょう。
値引き -20% と販売量 +20%アップ
で、「トントン」に見えますよね。
売上げは、どうなっているでしょうか。
値下げしたら、どれだけ売れないと利益を確保できないのか?
100円のモノが100個売れていたら 100 × 100 = 売上 10,000円。
80円に値下げしたら120個売れたので 80 × 120 = 売上 9,600円。
ほらね。売上は下がっていますよ。
400円、4%のダウンですね。
さらにさらに。問題はもっとあるのです。
ひとつあたりの原価が50円だったとすると
100円のモノが100個売れていたときの粗利益は、
一個当たりの利益(100-50)円が100個で 利益 = 5,000円。
80円に値下げして120個売れた時の粗利益は
一個当たりの利益(80-50)円が120個で 利益 = 3,600円。
利益で見ると、1,400円、14%もダウンしています。
100円で100個売っていたときと同じ粗利益5000円を、20%オフの80円で販売して稼ぎだそうとすると、実に167個も売らないといけないのです。
覚えておいてください。
20%値下げをしたら、販売量が67%以上ふえないと、利益額は値下げ前より減る。
ということです。
原価を削らずに価格だけを下げる「値下げ」では「20%値下げしたら20%たくさん売れた」といっても、決してお得でもなんでもないのです。
値上げしたらお客さんが離れた。これって悲しむべきことなのか
「値上げ」には、この逆の効果がはたらきます。
ビジネスをしていると多くの人が「値上げ」に抵抗感があるのは、よくわかっています。
シンプルに、値上げってこわいですよね。
「お客さんが離れるのではないか」
という不安がありますよね。
実はさきほどの
「値引きしたらたくさん売れたけどコレってうれしいの?」
という計算と逆の理論が成り立つのです。
つまり
「20%値上げしたら20%のお客さんが買わなくなった。これって損なのか?」
ってことです。
ではシミュレーションしてみますよ。
値上げシミュレーション
- 100円で100個売れていたのですから、売上は = 10,000円でしたね。
- 120円に値上げして販売が80個に減ってしまったら売上は = 9,600円
あらら、ここでも売り上げは減ってしまいました。
お客さんも売上げも減っているのに利益が増えることも
このシミュレーションでは、20%の値上げをしたら、お客さんも、売上も減ってしまいました。
だけど大事なの利益(いくら儲かったか)です。
利益がどのように変化したのか、見てみます。
原価が50円で変化がないとすると
100円で売っていたときの利益は
(100-50)円が100個で 利益 = 5,000円
120円で80個しか売れなかった時の利益は
(120-50)円が80個で 利益 = 5,600円
販売数量も売上げも減ったのに、利益「儲け」は増えましたね。
価格戦略には、集客以上のインパクトがある
実際にはこんなに単純ではありませんが、「価格戦略」の大切さがわかりますよね。
価格の設定「値付け」と、それによる売上げや利益の増減の変化の関係を把握することがとても大事なのです。
マーケティングの世界では、こんなことが言われています。
「価格戦略は、集客以上のインパクトがある」
と。
まとめ:価格をテキトーに決めない!
もちろん、実際には「値下げしたら利益は減る」「値上げすれば利益が増える」というような単純な話ではありません。
でも、
「集客」には一所懸命なのに、「価格設定」がテキトーな人が多すぎます。
ここまで述べたように、価格設定はとっても大事な「戦略的要素」なんですよ!
とくに
「少ないとはいえある程度お客さんがいる人」
「まあまあ仕事はあるけど儲かっていない人」
は、それ以上の集客よりも、価格を見直すべきです!(キッパリ)
事前にシミュレーションをおこなう
とはいえ、実際の現場では
価格をいくらにしたら、どれだけ売れるのか
なんてことは、事前にわかりっこありませんね。
ではどうするか。
さきほどの「シミュレーション」を、事前に行っておくのです。
価格をいくらにして、どれだけの数量が売れたら、どれだけの売上があって、どれだけの利益になるのか
という表を「売上 × 販売数量」の表にしてまとめておくのです。
その表を見ながら、
「どれくらい売れそうか」
「どれくらいの価格なら売れそうか」
「この価格でどれだけ売れたら、どれだけ儲かるのか」
を検討してみてください。
利益の出ない価格設定は、価格戦略とは言えない
とくに「販売数量と利益額」は、表にしておくとよいです。
ビジネスをしていると、どうしても「売れた」という現象によろこんでしまいがちです。
だけど、求めているのは「売上」ではなくて「利益」のはずです。
利益の出ない価格設定では、価格戦略とは言えませんね。
ワシの場合、商品単体だけではなく、年間の事業計画の中に、こういった「売上計画」を盛り込んであります。
もちろん、計画の通りに行くことは、まれです。
大事なのは「もくろみ」をもって価格設定する、ってことですね。
おまけ:月に一度「オンライン相談会」開催しています
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