コンテンツマーケティングとは?始め方と成功のコツ

コンテンツマーケティングとは何ですか?小さな企業や個人事業でも取り入れることはできますか?

この記事では、コンテンツマーケティングの基本と始め方、そして成功のコツについてお伝えします。

この記事でわかること
  • コンテンツマーケティングとは何か。どんな効果があるのか。
  • コンテンツマーケティングを成功させるためのコツ。
  • コンテンツマーケティングを導入する手順。
コンテンツマーケティングは低予算でも実践できるため、個人や中小企業でも導入可能な手段です。
この記事の信頼性

スモールビジネスコンサルタント 高橋浩士(ワシ先生)
個人事業から最大スタッフ10人程度までのスモールビジネス専門のコンサルタントです。
自治体(県や市)、商工会議所などの経営相談員やセミナー講師も務めています。

このページの内容

コンテンツマーケティングとは

コンテンツマーケティングとは、役立つ魅力的なコンテンツを通じて顧客と出会い、売っていくマーケティング手法です。

ここでいうコンテンツとは、ブログ記事、ウェブサイトのコンテンツ、ビデオ、音声、写真やイラスト、講座やテキスト、SNS投稿、メルマガなどがあります。

コンテンツマーケティングによって、顧客との信頼関係を築き、購入やリピートなどの望ましい行動を起こすことができます。

良質なコンテンツを提供することで、顧客が興味を持ち、知識や情報を得られるようになり、結果として、ブランドの認知度が向上し、顧客のロイヤルティが高まることが期待されます。

コンテンツマーケティングは、企業が従来の広告手法に頼らず、よりリアルで参加型の方法で顧客と関わることを目指す、現代的で革新的なマーケティング手法の一つです。

そもそもコンテンツって何?

コンテンツマーケティングで利用されるコンテンツとは、どのようなものですか?

コンテンツとは、「中身」だとか「内容」という意味です。

たとえば「ブログで売れた」という場合「ブログを利用したから売れた」というよりも「ブログで魅力的なコンテンツを発信できたから売れた」と考えたほうがよさそうです。

文章、画像、音声、動画、プログラムなど、情報を持ったあらゆる形式のデータを指します。
コンテンツは、情報を提供したり、知識や情報を伝えたり、楽しませたり、商品やサービスの販売促進など、さまざまな目的に使われます。

インターネットの普及に伴い、コンテンツはウェブサイトやブログ、SNS、動画配信サイト、ポッドキャストなど、様々なデジタルメディアに掲載されるようになり、マーケティングにおいても重要な役割を担うようになりました。

コンテンツマーケティングは、その中でも、商品やサービスのPRや販促を目的として、情報を提供することで、顧客の興味関心を引き、顧客の信頼やロイヤルティを高める手法のことを指します。

コンテンツビジネスとコンテンツマーケティングの違い

コンテンツマーケティングって、コンテンツビジネスのことなんじゃないの?

コンテンツビジネスとコンテンツマーケティングは、よく似た用語なので間違いやすいですね。

でもこのふたつは異なる意味を持っています。

コンテンツビジネスは、コンテンツを商品として販売するビジネスモデルのことです。

音楽や映像作品、電子書籍、ウェブコンテンツなど、さまざまな形態があります。コンテンツ自体が主要な収益源であり、コンテンツを提供するための制作や配信、販売、収益化に焦点が置かれます。

一方、コンテンツマーケティングは、コンテンツによって顧客の興味関心を引き、商品やサービスをPR・販促するマーケティング手法のことを指します。

コンテンツマーケティングでは、コンテンツ自体が収益源とは限らず、商品やサービスの販売促進やブランドイメージ向上を目的としています。

もちろんコンテンツマーケティングによってコンテンツを販売してもOKなわけで、この場合はコンテンツマーケティングを活用したコンテンツビジネス、と言えます。

つまり、

  • コンテンツビジネスはコンテンツ自体を販売するビジネスモデル
  • コンテンツマーケティングは商品やサービスを販売するための手法の一つ

と分けることができます。

コンテンツマーケティングが注目される理由

どうして今、こんなにもコンテンツマーケティングが注目されているのでしょうか?

現代のビジネス環境において、コンテンツマーケティングが注目される理由は、以下のようなものがあります。

広告に対する消費者の嫌悪感

現代の消費者は、テレビやラジオ、新聞などの伝統的な広告に対して慣れきってしまい、嫌悪感すら持っています。
そのため広告費をかけても、消費者の関心を引くことが難しくなってきています。新しい方法で消費者の関心を引く手段として、コンテンツマーケティングが注目されるようになりました。

情報社会の発展

インターネットの普及により、誰でも情報が簡単に入手できるようになりました。そのため、企業は情報提供によって顧客にアピールすることができます。
コンテンツマーケティングは、消費者に役立つ情報を提供することで、企業の信頼性を高め、顧客ロイヤルティを向上させることができます。

SNSの普及

SNSは、企業がターゲットに直接情報を提供できる優れたプラットフォームです。
SNS上でシェアされるコンテンツは、より多くの人々にリーチすることができます。
コンテンツマーケティングは、SNSを活用することで、より多くの人々にアピールすることができるようになります。

コスパの高さ

コンテンツマーケティングは、広告費をかけるよりもコスト効率が高いことが特徴です。
また、SEOを考慮したコンテンツ作成により、検索エンジンの上位に表示されることで、より多くのアクセスを得ることができます。これにより、ROI(投資収益率)が高いとされ、注目されるようになりました。

ネットが普及した今も「ネット広告」や「セール」はよく見かけますが、商品そのものを売り込まれてもウンザリしてしまうことが多いですよね。

そこで「役立つ情報や面白い情報(コンテンツ)」によってお客さんに興味を持ってもらい、最終的に購買に結び付けよう、という発想が生まれたのです。

ネット環境とSNSの普及によって、よりハイコスパな販売手法が可能になった、ってことですね。

コンテンツマーケティングで期待できる成果

コンテンツマーケティングを取り入れると、どんなメリットがあるんですか?

コンテンツマーケティングを実践することで、以下のような成果が期待できます。

とくにリソースが限られる小さな会社は、コンテンツマーケティングを取り入れるメリットが大きいですね。

顧客の関心や信頼度を高めることができる

コンテンツマーケティングは、消費者に有益な情報を提供することによって、企業の信頼度を高め、顧客ロイヤルティを向上させることができます。また、コンテンツが共有されることで、より多くの人々にリーチすることができます。

検索エンジンのランキングを向上させることができる

SEO(検索エンジン最適化)を考慮したコンテンツ作成を行うことによって、検索結果の表示順位をアップさせることができます。
これにより、あなたのコンテンツをより多くの人々に見てもらうことができるようになります。

販売促進につながる

コンテンツマーケティングによって、企業の製品やサービスに関する情報を提供することができます。
消費者がより詳細な情報を得ることができるため、購入や申込につながるチャンスが増えます。

認知度がアップする

コンテンツマーケティングは、企業のブランド認知度を向上させることができます。
良質なコンテンツを提供することで、消費者が企業のブランドを覚え、共有することができます。

高い費用対効果

コンテンツマーケティングは、広告費をかけるよりも費用対効果が高いとされています。また、コンテンツは長期的に有効であるため、投資対効果が高いとされます。

低予算で顧客の関心を集めることができて、売上につながるのなら、取り入れたほうがよさそうですね。

低予算でできるということは、リスクが少ないということです。

小さなビジネスにコンテンツマーケティングをおすすめする理由は、ここにあります。

コンテンツマーケティングの手法

具体的にコンテンツマーケティングを進めていくためには、どんな手段があるのですか?

コンテンツを発信することができるのであれば、あらゆるメディアが取り組みの対象になります。

ブログ

企業が自社のブログを開設し、業界の最新情報や製品・サービスの使い方、顧客事例などを発信することで、顧客からのアクセス数や問い合わせ数を増やすことができます。また、SEO対策を行い、Google検索での上位表示を目指すことで、検索からのアクセスを増やすことができます。

SNS

企業がFacebookやTwitter、Instagramなどのソーシャルメディアを活用し、製品やサービスの魅力を伝えることで、フォロワー数を増やすことができます。また、ハッシュタグを使ったキャンペーンなどを実施し、ユーザー参加型のコンテンツを発信することで、ユーザーエンゲージメントを高めることができます。

メルマガ

企業がメールマガジンを配信することで、新着情報やセール情報、製品やサービスの使い方などを提供し、顧客の関心を引くことができます。また、顧客がメール内からリンクをクリックして、企業のウェブサイトにアクセスすることで、顧客の興味関心を把握し、リード獲得に繋げることができます。

オンラインセミナー

企業がオンラインセミナーを開催することで、製品やサービスの詳細な説明や導入事例などを提供し、顧客の関心を引くことができます。また、セミナー参加者のリストを収集することで、リード獲得に繋げることができます。

ウェブサイト

企業が自社のウェブサイト上で、製品やサービスの詳細な説明や導入事例、カスタマーサポート情報などを提供することで、顧客の関心を引くことができます。また、ウェブサイト内でコンテンツをダウンロードすることを条件に、リード獲得につなげることができます。

原則としてコンテンツを発信することができるのであれば「フリーペーパー」などのアナログメディアも対象にはなります。

ただコストや計測可能性やコスパを考えると、小さな企業はデジタルメディアのほうが相性がいいのは確かですね。

あれもこれもすべて手掛けるのではなく、自社の目的やターゲットに合わせてメディアを組み合わせる(メディアミックス)という視点を持つことが大事です。

コンテンツマーケティングの具体例

具体的なコンテンツマーケティングの活用例はありますか?

実は、コンテンツマーケティング的な手法は、インターネットが発展する以前から存在していました。

なじみのある事例をメインに紹介しますね。

調味料メーカーによるテレビ料理番組

日本では調理番組として知られる料理番組は、その番組タイトルにスポンサーである調味料メーカーの名前が記されています。
「料理レシピというコンテンツ」を見るために番組に人が集まり、CMによって調味料の販売を伸ばそう、という狙いです。

タイヤメーカーによるグルメガイド

世界的にも有名なグルメガイドブックは、そもそもフランスのタイヤメーカーによる「販売促進事業」でした。
「各地のおいしいお店」という情報(コンテンツ)を発信することで、読者への「車での移動」をうながし、タイヤの販売促進につなげようとする狙いだったのです。
もともとの「販促事業」だったグルメガイドが、現在では単体の収益事業として機能しているといえます。
同様のコンテンツマーケティングは、日本でも「自動車メーカーのスポンサーによるドライビングガイド番組」のような手法で見ることができます。

家具小売店によるインテリアガイド

日本の大手家具小売店が、プロのインテリアコーディネーターによる「インテリアのアドバイス」を行うウェブサイトを運用しています。
「インテリアガイド」というコンテンツを発信することで、家具の販売につなげようとする狙いだとみることができます。

フィットネスジムによる筋トレ動画

「個人でも自宅でできる筋トレ」といったコンテンツ動画を無料で配信し、「本格的に鍛えたい場合にはウチのジムへどうぞ」と促すことができます。

そう考えるとコンテンツマーケティングという手法そのものは、インターネット以前から存在したと考えることができますね。

コンテンツマーケティングを導入する手順

ではコンテンツマーケティングをはじめるには、とりあえずSNSやブログで発信をスタートさせてみればいいのでしょうか?

やみくもにスタートさせても、「迷いながら」だと成果が出るまでに時間がかかってしまいます。

「仮」でもいいので、以下のことを決めてからコンテンツマーケティングをスタートさせることをオススメします。

目標の設定

コンテンツマーケティングにおいても、目標を明確に設定することが重要です。目標には、企業の目的やターゲットとする顧客のニーズに応えたものを設定します。例えば、売上向上、ブランド認知度の向上、顧客獲得数の増加、顧客ロイヤルティの向上などが挙げられます。

ターゲット層の特定

コンテンツマーケティングを行う上で、どのような人々にアプローチするかを明確にすることが重要です。企業のターゲット層を特定し、そのニーズや興味に合ったコンテンツを提供することが必要です。

コンテンツの作成

目的やターゲット層を考慮して、コンテンツを作成します。コンテンツの種類は、ブログ記事、動画、インフォグラフィック、SNS投稿、ウェブサイトのコンテンツなど多岐にわたります。コンテンツを作成する際には、SEO対策も行い、検索エンジンでの表示を意識しましょう。

コンテンツの配信

作成したコンテンツを、ターゲット層に届けるための配信方法を考えます。配信方法としては、SNSやメールマガジン、広告掲載、ブログなどが挙げられます。配信方法に応じて、コンテンツのフォーマットや配信タイミングなどを調整する必要があります。

効果の測定とフィードバック

コンテンツマーケティングを行った後は、その効果を定量的に測定する必要があります。アクセス数、コンバージョン率、顧客のフィードバックなどを定期的に確認し、改善点を把握することが大切です。

企業によっては独自の手順を取り入れる場合もあります。

コンテンツマーケティングを導入する際の注意点

コンテンツマーケティングを始める際には、どんなことに注意すればいいですか?

先の「コンテンツマーケティングを導入する手順」をもれなく守る。という点が大事です。

具体的には以下のようなことに気を付けてください。

目的とターゲットの明確化

「早くコンテンツマーケティングを導入したい、早く成果を見たい」という気持ちで取り組むと、戦略的な部分をおろそかにしたまままでスタートしてしまいがちです。

コンテンツマーケティングの失敗の多くは「狙いやターゲットがあいまいだったり、迷ったままで実践していること」が原因です。

目的を明確にして、ターゲットの観察、顧客理解を深めたうえでコンテンツを作成する必要があります。

コンテンツの質

コンテンツマーケティングは「コンテンツそのもの」で集客することが目的ですから、集客できないコンテンツではいくら量産しても意味がありません。
「質の高いコンテンツ」を作成することです。
顧客にとって価値のある情報を提供し、興味を持ってもらえるようなコンテンツを作成することが必要です。

「つれづれブログ」や「ボヤキ日記」をいくらたくさん書いても集客できるようにはなりませんよ。

長期的な視点

コンテンツマーケティングは、長期的な視点で取り組む必要があります。結果をすぐに出すことはできないため、地道な作業が必要です。継続的にコンテンツを更新し、改善することで、成果を出すことができます。

管理指標の設定

効果の測定とフィードバックをするためには「何の数値を測定するのか」を決めなくてはいけません。
コンテンツマーケティングの成果を評価するために、KPI(重要業績評価指標)を設定することが重要です。
KPIを設定し、定期的に評価することで、コンテンツマーケティングの成果を把握することができます。
具体的には、アクセス数、クリック数、コンバージョン数など、目標に合わせた指標を設定し、それを定期的に分析することが重要です。

導線

良質なコンテンツでブログに集客したあと、どうするのか?
集めたお客さんをただ返してしまっていいのでしょうか?
次のコンテンツをおすすめするとか、メルマガなどの「定期コンテンツ」を案内するなど「次のアクション」につなげていかないと、最終的な売り上げにはつながりません。

コンテンツマーケティングでも「どのように集めて、どのように売るのか」といった導線の設計が大事です。

コンテンツマーケティングのキモ「質の高いコンテンツ」とは

「質の高いコンテンツ」とは、具体的にどのようなコンテンツのことを指すのですか?

質の高いコンテンツとは、読者や視聴者にとって有益で価値のある情報を提供するコンテンツのことです。以下は、質の高いコンテンツの特徴の一例です。

信頼性が高い

信頼性が高いコンテンツは、正確で根拠のある情報を提供します。読者や視聴者は、提供された情報が信頼できると感じることが重要です。

分かりやすい

質の高いコンテンツは、読者や視聴者にとって分かりやすいものであることが求められます。専門用語や難解な表現を避け、わかりやすい言葉で説明することが大切です。

有益である

質の高いコンテンツは、読者や視聴者にとって有益であることが求められます。問題を解決するヒントや、情報を深めるためのアイデアなど、読者や視聴者が実際に役立てられる情報を提供することが必要です。

魅力的である

質の高いコンテンツは、読者や視聴者を引き付ける魅力があることが求められます。例えば、読み手を引き込むストーリー性や、視聴者を楽しませるエンターテインメント性があることが重要です。

活用性が高い

質の高いコンテンツは、読者や視聴者が自分で活用できることが求められます。例えば、解説やハウツー記事であれば、実際に試してみることができるような具体的な手順が明確であることが必要です。

独自性がある

質の高いコンテンツは、他のコンテンツとは差別化があることが求められます。独自の視点やノウハウ、アイデアを提供することで、読者や視聴者に新しい発見を提供することができます。

ここで、SEOに詳しい人なら気が付いたのではないでしょうか?

良質なコンテンツを発信することが、SEO的にも効果が高い、ということが言えます。

質の高いコンテンツを発信すると、SEOの効果もあってより目立つようになり、人も集まる。これがコンテンツマーケティングの流れです。

まとめ:コンテンツマーケティングは「コンテンツ力」の勝負

AIによる文章作成も可能になった今の時代、コンテンツマーケティングは文字通り「コンテンツそのもので勝負する」販売手法です。

そのためにはお客さんのことをよく理解して、独自性のある、役立つコンテンツを大量に配信することが求められます。

つまり「プロとしての力量の差」がそのまま「集客力の差」になってあらわれるマーケティング手法だとも言えます。

プロとしての実力に自信がある人ほど、コンテンツマーケティングは魅力的な手法だと言えますね。

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