起業では「やることを絞る/やりたいことを全部やる」どちらがいい?
いっぽうで「やりたいことは全部やればいい」という意見も聞きます。
いったい、どちらがいいのでしょうか?
実際、このような質問はじつによくいただきます。
この記事では
という課題について考えてみます。
自治体(県や市)、商工会議所などの経営相談員やセミナー講師の委託も受けていますので、あるていど安心していただけるかと思います。
このページの内容
「どの視点から言っているのか」をよく見てみよう
「やりたいことはぜんぶやりたい」という希望を持っていると「やりたいことは全部やればいい」という意見が魅力的に見えてきます。
また、有名人のかたや著名な経営者のかたの多くも、こういった意見を発信されているので、信じてよいように思います。
じっさい、自分がやりたいことのうち、どれが当たるのかはわからないのですから、全部できるのなら全部やったほうが、「当たる確率」は高いですよね。
あなたが「ひとりで」起業するとした場合、あなたが使える時間には限りがあります。
やりたいことが10あるとしたら、一つ一つの仕事を進めるための推進力は、一つのことに集中する場合と比べて、1/10に減ってしまうわけです。
起業する人の場合、お金が限られていることが多いわけですから、はやく事業を軌道にのせる必要があります。
スピードが大事なワケです。
だとしたら、一つのことに集中したほうが、スピードは上がりますよね。
では、「やりたいことは全部やればいい」という意見は、どうして生まれるのでしょうか。
ふたつの意見は「時間スケール」が違う
ビートたけし氏、松本人志氏、ホリエモン氏、西野亮廣氏、渡辺直美さんなど。
マルチな活動でうまくいっている人たち、とくに有名人のことを、よく考えてみてください。
彼らは最初に「どこかで」売れたのです。
ビートたけし氏も、松本人志氏も、西野亮廣氏、渡辺直美さんなどは、最初に「お笑い」で売れました。
ホリエモン氏はシステム開発(IT事業)が最初の事業です。
どこかで突破口を開いてから、手を広げて行った、ということです。
「ひとつの事業でうまくいってから次のことを考えはじめた」ということもあれば、「もとから興味があった、最初からやっていた」という場合もあるでしょう。
さいしょは「周囲から見た時に絞られていた」ということが大事であって、「実際に他のことには興味もなかったのか」ということではありません。
起業でも、ヒットするまでは「やることを絞る」ほうがいい
ワシのクライアントさんの多くも、飛躍した人たちは「最初は絞っていた」というケースが多いです。
ひとつの事業で支持を集めてから、次のことに乗り出していったのです。
もちろん人によって違いますが、最初の事業が順調に軌道にのったばあい、1年くらいで次の展開を考える人が多いです。
「最初は絞る」といっても、ひとつのことを10年20年という長い時間つづけたほうがいい、と言っているわけではありません。
そのかわり、最初の事業が軌道にのるまでに時間がかかったばあいには、次の展開に移るのも遅れます。
といっても、なかなか軌道にのらない事業を、同じやり方で続けていても希望が見出せません。
そこで、最初の事業でなかなか当たらない場合には、「第2、第3」のアイデアを次々に繰り出していくことになります。
その場合にも、結果的には「やりたいことは全部やっている」ということになりますよね。
どれかひとつでも当たると、キャッシュが回り始めるため、次の事業に乗り出してもうまくいきやすいのです。
タレントで名が売れた人は本を出しても売れやすいのと同じ「ハロー効果」もあります。
なので「最初にどこかでヒットする」ことが「やりたいことすべてを手掛ける」場合にも、大事なんですね。
まとめ:やりたいことを全部やるには時間スケールで考える
- 絞ったほうが集中できて、最初の突破口をひらきやすい。
- ひとつのことでうまくいくと、相乗効果で次のこともうまくいきやすい。
- 最終的には、やりたいことをやればいい。段取りが大事。
やりたいことが全部やれて、しかもぜんぶの事業がうまく行くのだとしたら、誰でもそうしたいですよね。
でも現実には、なかなかそうはいきません。
「楽しめればいい」という人は、この記事の対象にはしていません。
「食っていかなくてはいけない」という立場なのだとしたら、最初に絞って突破口、キャッシュに余裕ができてから、やりたいことを展開。
これがうまくいきやすいパターンではないでしょうか。
おまけ:「みんなで試行錯誤する場」ここにあります。
このブログを書いているワシ、スモールビジネスコンサルタントが運営しているオンライン勉強会「ワシ勉」は、
- 同じような立場の人(経営者等)との交流の場
- みんなで試行錯誤する場
- 経営に関して勉強できる場
と言えます。
「仕事として成り立たせたい」という想いを持っている人は、それなりの身を削って、それなりの「場」に身を置いたほうがイイと思いますよ。
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