あの人よりいいサービスなのに売れない人の経済学
ワシのコンサルティングを受けてくださる人や、塾に興味を持ってくださる方には、ある共通点があります。
それは、とてもまじめな人が多い、ってことです。
そういえば、チャラく見える人って、あまりいないんですよね。
みなさんマジメですから、自分が売るサービスを高めるための勉強は熱心です。
つまり、技術や知識を高めようとします。
だけど、世の中には、自分よりも知識も技術も劣るのに、自分より売れている人っていますよね。
そして、そんな人を見て、多くの人は思うのです。
私よりも知らないくせに、私よりも経験がないのに、こんな値段で売るなんて!
なんてお客さんは愚かなんだ!
私が教育せねば!
ってね。
自分より経験年数も低く、技術も低いのに、自分よりも高い値段で売れている人
の存在を知ると、ソワソワイライラしますよね。
コンサルの仕事は中古車販売と同じ
コンサルタントのお仕事を考えてみてください。
コンサルタントが提供している商品(サービス)は「コンサルティング」ですね。
だけど、これだけ「質」がわかりにくい商品も、珍しいですよね。
だって、受けてみないと「よかったかどうか」がわからない。
つまり、コンサルティングを買う人(買い手)は、
「どうすれば自分に合ったコンサルタントを選ぶことができるのか」
「この人は自分が抱えている問題を解決してくれるのか」
といった情報がとても少ないわけです。
一方で、コンサルタント自身は
「自分はどれだけのコンサルティングスキルを持っているのか」
「どんなことはできて、どんなことはできないのか」
ってことを、ある程度知っています。
自分自身のことですから、知ってて当然ですよね。
だけど、多くのコンサルタントは仕事が欲しいので、コンサルティングスキルを実際以上に盛ったり、知らないことも知っているかのように発信します。
ここで「売り手」であるコンサルタントと、「買い手」であるあなたの間には、「持っている情報に格差がある」わけですね。
ここが大事です。
コンサルティングやアドバイザーのお仕事は、
「お客さんは、サービスを買う前に本当の質を知るのが難しい」
ってことです。
すると、どんなことが起きるでしょうか。
実はこれ、中古車業界と同じ構造を抱えているのです。
悪いものが出回ってよいものが淘汰される「レモン市場」
たとえば起業コンサルで見てみましょう。
- 経験も無ければ勉強もしていなくても「起業コンサル」と名乗って荒稼ぎをする人が現れます。
- お客さんは「見分け方を知らない」ために、そんなコンサルの質の低いサービスを受けて、ガッカリする人が増えます。
- 「コンサルは怪しい仕事」と見られ、まっとうな起業コンサルは中小企業にターゲットを移したり専門特化して少なくなります。
- 質の悪い起業コンサルだけが残ります。
これは同じことが中古車でも言えます。
- 事故歴を隠したり、走行距離を偽装して販売する、質の悪い中古車屋があらわれます。
- お客さんは「見分け方を知らない」ために、質の悪い中古車を買って、ガッカリする人が増えます。
- 「中古車はあやしい」と見られ、まっとうな中古車を売っている中古車屋はまっとうな価格で売ることができず、淘汰されていきます。
- 質の悪い中古車屋だけが残ります。
これらは「買い手」と「売り手」が持っている情報に格段の差があるために生まれる現象です。
経済学で「情報の非対称性」といい、その結果わるいものだけが残るような状態を「レモン市場」といいます。
質の悪いサービスや業者だけが残る。
無残な結果ですね。
でも、実際の中古車業界では、いまでもアヤシイ業者がいる一方で、質のよい中古車を販売している業者がありますよね。
なぜ、価格は高くても質のよい中古車屋は、「情報の非対称性」があるにもかかわらず、生き残ることができているのか?
あなたなら、何を目印にして中古車屋を選ぶか、ってことです。
ここに対策のヒントがあります。
「質の悪い同業者に業界を荒らされることなく、まっとうな価格で商売できるか」のカギは、中古車業界など、ほかの「レモン市場」の中にヒントがあるはずなんです。
このように「自分と同じような状況にある業界は、どのように問題に対処しているのか」を観察すると、視界が開けてきますよ。
質の悪い同業者に淘汰されないためには
実は、経済学や経営学の分野では、ずっと以前からこういった問題についての研究が進んでいます。
このような「質の悪い同業者やサービス」に対処するための方法として、経済学では、どのような対策が有効だと考えているのでしょうか。
気になりませんか?
「質の悪い同業者やサービスに駆逐されないための対策」について、経済学の理論ではどのように教えているのか。
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