起業仲間の選びかた【失敗しないコツ】
どんな人を起業仲間として選ぶべきでしょうか?
最初の起業仲間選び、起業コミュニティ選びをまちがえると、その後あなたの起業がおおきく遠回りしてしまう可能性があります。
今回は「起業仲間や起業コミュニティを選ぶコツ」についてお伝えします。
- 起業仲間や起業コミュニティを間違えるとどうなるのか。
- 起業仲間や起業コミュニティはどのように選べばよいのか。
個人事業から最大スタッフ10人程度までのスモールビジネス専門のコンサルタントです。
自治体(県や市)、商工会議所などの経営相談員やセミナー講師の委託も受けていますので、あるていど安心していただけるかと思います。
このページの内容
「仲間選び」によって「あなたの起業文化」が決まる
人によって、起業する動機や、起業へのコミットメント(覚悟やヤル気)の温度差があります。
「仲よしだから」という理由だけで起業仲間を選ぶと、その後のあなたのビジネスに大きな影響をもたらしますので、注意が必要です。
勉強しない友達ばかりだと、自分も勉強しなくなる
たとえば、こども時代、学生時代を思い出してください。
友達が勉強しない人たちばかりだった場合、試験前にあなただけが勉強していると
なんだオマエ、勉強なんかしてマジメかよ
なんて言われるのがイヤで、勉強しなくなってしまいますよね。
あげくの果てに、そのうちあなた自身が、他の友達の勉強のじゃまをする存在になるかもしれません。
もし、友達が勉強熱心な人たちばかりだった場合は
勉強しない方がどうかしている
という雰囲気の中で過ごすため、自然と勉強の習慣が身につくはずです。
このように、自分の周囲の人たちの態度によって、あなた自身の態度も決まってしまうのです。
勉強だけではなく、ファッションから趣味、考え方まで、友達や仲間の影響を強く受けていたはずです。
周囲の人の態度に影響を受ける「組織文化」
こういった「人の集団がもつ独特な考え方や行動の傾向」のことを、経営学の「組織論」という分野では「組織文化」という言いかたをします。
起業でも、同じことが言えます。
あなたは「起業してガチで収益を上げていきたい」と考えているのに、周囲の人たちは
まぁまぁ、楽しくやってそこそこお小遣いがあればいいじゃん
という人たちばかりだとしたら、そのような文化に飲み込まれてしまうのです。
「ガチでやるのが正統」で「楽しくやってソコソコ、というのは邪道」だと言いたいのではありません。
あなたが望んでいる方向性とは違う方向を向いている人たちと起業仲間になってしまうことが問題なのです。
なので、あなた自身が「楽しくそこそこ」を望んでいるのであれば、「ガチで」という方向を向いている人たちを起業仲間に選んでしまうと、苦しむことになります。
「仲のよさ」と「ビジネスでの方向性」は一致するとは限らない
これは注意しておきたいことです。
どうしても「仲のよい人」「気の合う人」を起業仲間にしたくなるものです。
だけど、仲がよい人とあなたの「ビジネスにかける思いだとか姿勢」が一致しているとは限りません。
あなたが
「起業して自分でメシを食っていかなくてはいけない人」
だとして、友達は
「ご主人の扶養の範囲内で楽しくやれればいいと思っている人」
だとしたら、いくら仲がよくても、起業仲間、ビジネスのことを相談し合う仲間として、ふさわしいとは言えないのです。
「仲良くするな」ということではありません。「起業仲間としてどうなのか」という問題なのです。
業種や規模がちがうと、問題や課題もちがってくる
よく、若い起業家の人が、年配の中小企業の社長さんに「どうしたらいいでしょうか」などと相談していることがあります。
これも、
- 業種
- 規模
- 段階(ステージ)
によって、課題や問題点、「優先的に取り組まなくてはいけないこと」が変わってきます。
精神的なアドバイスも決してムダなことではないのですが、起業したばかりの人にとって大事なアドバイスは「具体的に何をすればいいのか」という、「今日あすの行動のこと」なのです。
起業したタイミングや事業規模が同じだったとしても、「飲食店をオープンした人」と「デザイン事務所をスタートさせた人」とでは、おのずと「やらなくてはならないこと」は違ってくるはずですよね?
日常会話やおしゃべり、グチの聴き合いをするのであればまったく構わないのです。
問題や課題を共有し合って、いっしょに高めあえる存在
としては、やはり「考え方や仕事の仕組みが似た人」を選びたいですね。
あなたに合った起業仲間や起業コミュニティを選ぶには
自分が向いている方向と同じ方向を向いている人たちを、起業仲間として選ぶ
ことが大事なのだとすると、次のようなことが言えます。
「起業仲間を選ぶ」ことよりも先に大事なのは「自分の起業の方向性をハッキリさせておくこと」です。
だということです。
起業仲間や起業コミュニティを選ぶ前に「自分の方針」を明確にする
圧倒的に多いのは、「起業に対する自分の方向性がハッキリしていない」人です。
とはいえ、方向性がハッキリしていないから相談相手が欲しいんじゃないか、という人も多いでしょう。
「自分の起業に対する方向性をハッキリさせるために講座を受けたり起業グループに入る」
という行動も、もっともだと思います。
その場合には「自分自身の、社会や人間に対するスタンス」をハッキリさせておくことが大事です。
「こんなコトバを平気で使うような人はイヤだ」
「人に対してこのような態度をとる人はイヤだ」
という感覚を大事にして、「社会の中での自分の方針」をはっきりと言語化させたうえで、起業仲間や起業コミュニティを選んだほうがよいですね。
相手や起業コミュニティの発信を読み込む。コミュニケーションを取る
「この人はどうかな」
「このコミュニティはどうかな」
という対象がみつかったら、その人やグループのブログやSNSを、しばらく期間をかけて読み込んでみることをおススメします。
相手の人や、コミュニティの中の人と、実際に連絡をとって、しばらくコミュニケーションを取ることができれば、いろんなことがわかるはずです。
このとき、相手の発信の中になにか違和感があったら、それを「大したことではないかな」と考えずに、記録しておきます。
さきほどの
「こんなコトバを平気で使うような人はイヤだ」
「人に対してこのような態度をとる人はイヤだ」
という基準に該当していないでしょうか。
この「肌感覚」はバカになりません。
たんに自分が勉強不足だからそう感じるだけかな
と軽く考えずに、「方向性がちがうのかも」と検討してみましょう。
「方向性の合う、合わない」の問題は、「どちらかがよい人で、どちらかが悪い人だ」という一面的なお話しではありません。
↑もし、「方向性の合う合わない」の問題を「善悪」の問題にすり替えて話す人がいるのだとしたら、ワシであればそれは「違和感」としてハッキリ記憶に残るでしょうね。
起業仲間やコミュニティによる発信をチェックするポイント
起業仲間の候補、起業コミュニティの候補を発見したとき、しばらく彼らの発信を観察することをオススメします。
その際、こんな点に気をつけてみてください。
- 業種やビジネスの仕組み
- ビジネスや世の中に対する考え方
- 組織規模
- ビジネスに取り組む姿勢
- 仲間との付き合い方
※「組織規模」とは、売上規模ではありません。フリーランスの人が、従業員100人の会社の社長に相談しても、「求めていないアドバイス」しか得られない可能性が高いです。
「ひとりでビジネス」を目指す人であれば「ひとりで1億円稼いでいる人」に相談したほうが、ピッタリしたアドバイスが得られそうですよね。
ウワサや評判に惑わされずに自分で確認する
あのコミュニティはやめておいたほうがいい
あの人はとんでもない人だから近づかないほうがいい
といったウワサや評判を、今後あなたもきっと耳にすることでしょう。
だけど、その評判そのものも評価した人の基準で判断していることに過ぎません。
あなたとは違う方向性を持った人による人物評価は、あなたによる人物評価と一致するとは限らないのです。
ぜひ、自分の目と耳で確認してください。
そして、「ひとのウワサや評判」の話ばかりしている人とは、距離をとることをおすすめします。
まとめ:仲間選びは、自分と相手をよく知ることから
起業する際のコミュニティや仲間とのトラブルの多くは「起業への考え方や姿勢のちがい」ひいては「社会に対する考え方や姿勢のちがい」から生まれます。
ビジネスに対してだけではなく、人や社会に対する考えかたや取り組みかた、姿勢の違いが、トラブルの原因になるのです。
一回限りのトラブルならばまだしも、仲間の存在はあなたのビジネスの「その後」にも大きく影響します。
「人間関係でまったく失敗をしない」
ということはかえって現実的ではありませんが、できるだけイヤな思いをしたくはありませんものね。
おまけ:ガチな起業の人たちがあつまっています
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